米Intel社と米Google社は、スマートフォンやタブレット端末に向けたOS「Android」を、Intel社の「Atom」プロセサ向けに最適化していくことで協業する(英文の発表資料)。「Intel Developer Forum 2011」(2011年9月13~15日、米国・サンフランシスコ)の基調講演で、Intel社 President & CEOのPaul Otellini氏が明らかにした。両社は今後のAndroidの新版をAtomプロセサで動作可能にするとともに、Atomプロセサの命令セット・アーキテクチャやハードウエア機構に合わせた最適化も行う。
Otellini氏の基調講演には、Google社でAndroidを担当するSenior Vice PresidentのAndy Rubin氏がゲストとして登壇した。「Androidの今後のリリースでは、Atomプロセサへの最適化を、カーネルやメモリ管理、マルチメディア、グラフィックスといったハードウエアに近いレベルで行っていく」(Rubin氏)。今回の協業は、両社が最近取り組み始めた、Chrome OSおよびGoogle TV(Android Software Development Kit(SDK)および同 Native Development Kit(NDK)を含む)をIntelアーキテクチャのプロセサで動作させるための協業を踏まえたものだという。
Otellini氏は基調講演で、Atomプロセサを採用したスマートフォンの参照ハードウエアを提供することも明らかにした。32nm世代の技術で製造するAtomプロセサを使う次世代プラットフォーム「Medfield」(開発コード名)を搭載したもので、OEM企業などに提供していく(Tech-On!の関連記事)。「Atomプロセサを搭載したスマートフォンは2012年に市場に登場する」(Otellini氏)見込みである。
Intel社は従来、Atomを搭載したスマートフォンやタブレット端末向けのOSとして「MeeGo」も想定していた。今回の協業の発表により、Intel社は主にAndroid搭載製品に向けて自社のプロセサを推進するという戦略に舵を切ったと考えられる。