図1 9月3日に撤去作業をするSamsung社の担当者
図1 9月3日に撤去作業をするSamsung社の担当者
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図2 撤去前のSamsung社のタブレット端末「Galaxy Tab 7.7」
図2 撤去前のSamsung社のタブレット端末「Galaxy Tab 7.7」
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図3 撤去後はスマートフォン「Wave 3」の展示に
図3 撤去後はスマートフォン「Wave 3」の展示に
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 韓国Samsung Electronics社は2011年9月3日(現地時間)、前日からドイツのベルリンで開催中の欧州最大の家電展示会「IFA 2011」で、発表したばかりの同社のタブレット端末「Galaxy Tab 7.7」を展示ブースから撤去した。同端末が展示してあった場所は、同社の独自OS「bada 2.0」を搭載したスマートフォンの新製品「Wave 3」の展示に変更されており、Galaxy Tabの姿は消えている。

 複数の報道によれば、米Apple社がタブレット端末「iPad」のデザインを模倣したとしてSamsung社を訴えている裁判で、9月2日にドイツの地方裁判所が9月9日までSamsung社の製品の販売とマーケティング活動を差し止める仮処分を下したことが影響しているという。この裁判はタブレット端末「Galaxy Tab 10.1」を対象にしたものだが、Samsung社は今後の裁判への配慮からタブレット端末の新製品の撤去に踏み切ったと見られる。

 Samsung社の欧州の広報担当者は取材に対し、9月2日にGalaxy Tab 7.7を撤去した事実と、地方裁判所での仮処分については認めたが、「それ以上は話せない」と関係性についての言及は避けた。

 Apple社とSamsung社は、スマートフォンやタブレット端末について、各国でデザインや特許に関する訴訟合戦を繰り広げている。IFAは、販売店との商談の場であると同時に、来場した一般消費者に新商品をアピールする重要な機会。今回の撤去騒ぎは、Samsung社の欧州での年末商戦の戦略に影響を与え、訴訟合戦が激しさを増すキッカケになるかもしれない。