「Opera TV Store」のデモの様子
「Opera TV Store」のデモの様子
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 Webブラウザー開発のノルウェーOpera Software社は、インターネット接続機能を備えた薄型テレビ向けに、Web記述言語「HTML」の次世代仕様「HTML5」を使ったアプリケーション・ソフトウエア開発基盤を開発した。2011年9月2日からドイツのベルリンで開催中の欧州最大の家電展示会「IFA 2011」でデモを見せた。現在、テレビ・メーカーは、ソフトウエア開発者の囲い込みを狙った取り組みに注力している。多くのソフトウエア技術者が開発に携わるWeb標準技術による開発環境を提供することで、Opera社のWebブラウザーの採用を増やすことを目指す。

 ソフトウエア開発基盤の名称は「Opera TV Store」。Opera社のWebブラウザーで動作するアプリケーション・ソフトウエアをHTML5で開発できる。テレビやBlu-ray Discプレーヤー、セットトップ・ボックス(STB)などでの採用を視野に入れている。今回の開発基盤は、パソコンや携帯電話向けのソフトウエア開発基盤「Opera Devices SDK」をベースに構築した。同社のサーバーやWebブラウザー、サービス提供企業のサーバーを組み合わせて、テレビ・ユーザーにコンテンツやソフトウエアを提供するサービスを構築できる。家電向けのHTML仕様「CE-HTML」や、IPTV技術の標準化を目指す「Open IPTV Forum(OIPF)」の仕様などにも対応する。

 デモでは、MP3プレーヤーや、ゲーム・ソフト、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのアプリケーション・ソフトウエアを同社のWebブラウザーを搭載した現行のテレビで動作させた。HTML5を使うことで、スマートフォンやタブレット端末を含めた複数の端末で同じアプリケーション・ソフトウエアを共有しやすくなるほか、パソコンや携帯情報端末向けのWebサービスの開発を手掛ける豊富な人材を活用できるようになる可能性がある。