ソニーは、3次元(3D)映像の表示に対応するヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)「HMZ-T1」を2011年11月11日に発売する。同社が開発した0.7型の有機ELパネルを搭載している。オープン価格だが、市場推定価格は6万円前後とした。
HMZ-T1の特徴は、2枚の有機ELパネルを搭載することで、左目と右目のそれぞれに独立した映像を表示できることである。これにより「クロストークのない、自然で明るい3D映像を楽しむことができる」(ソニー)とする。
搭載した有機ELパネルは、2011年8月24日に発表したデジタル一眼カメラの電子ビュー・ファインダ向けに開発した技術を応用している。4μm×12μmの画素サイズを実現したことで、0.7型で有効280万画素(720p)を達成した。今回、小型で高精細にするために、白色有機EL層上にカラー・フィルタを重ねる色分離方式を採用した。Si基板には、映像表示に必要なD-Aコンバータなどの機能を内蔵しているという。
この他にHMZ-T1は、プロジェクターで培った収差や歪みを抑えた光学レンズを採用することで、水平視野角45度を実現している。20m先に750型相当のスクリーンがあるように見えるという。音声に関しては、左右のヘッドホンで最大5.1チャネル相当の音響効果を得られる「5.1chバーチャルサラウンド技術」を搭載した。
なおソニーでは、視聴する際の注意点として、15歳以下の子供には使わせない、乗り物酔いの症状が出やすい揺れの激しい環境では使用しないという点を挙げている。