インテル 代表取締役社長の吉田和正氏
インテル 代表取締役社長の吉田和正氏
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つくば市長の市原健一氏
つくば市長の市原健一氏
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3者の役割
3者の役割
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 茨城県つくば市と筑波大学、インテルは、新たな都市文化の構築を目指すプロジェクト「つくばが変わる、日本を変える」を始めると発表した。2015年に向けて、ICTを活用した「ひとづくり」「まちづくり」を進める。「新しい日本社会の方向性を示し、世界に発信していきたい」(つくば市)という。

すべての小中学校で次世代型教育カリキュラム

 ひとづくりの分野では、大きく三つの取り組みを進める。すなわち、「未来を拓く人材養成」「高度人材養成」「起業家支援」である。

 未来を拓く人材養成では、つくば市の全53校の小中学校を対象に、次世代型教育カリキュラムを2012年4月から実施する。同カリキュラムは、環境教育や科学技術教育、キャリア教育、国際理解教育、ICT利活用などを融合したもの。今後、グローバル社会で必要とされる「21世紀型スキル」などを効果的に習得できる教育環境の整備を進める。インテルはタブレット端末の提供に加え、思考誘発型授業「Intel Teach」のコンセプトを活用した教員研修を実施し、カリキュラムの作成体制を支援する。

 高度人材養成においては、国際社会で活躍するためのコミュニケーション力を育成する講座を、筑波大学大学院の共通科目として開設する。2012年度に導入する予定である。同講座は、インテルの社員研修プログラム「Intel University」をベースに、筑波大学とインテルが共同開発したという。

 起業家支援では、筑波大学の大学院生やつくば市内の起業家などを対象に、教育講座を開講する。インテル社員によるビジネス成長の方法論についての講演など、全11テーマの講義である。2011年7月に始める。

Continua対応機器で健康管理プログラム実験

 まちづくりの分野では、大きく二つの取り組みを進める。すなわち、「コミュニティの活性化」「市民の健康づくり」である。

 コミュニティの活性化については、先進技術を活用した情報伝達システム環境の構築を目指す。WiMAXなどのブロードバンド・サービスやデジタル・サイネージなどの情報機器を用いて、すべての市民が必要な情報に簡単にアクセスする環境を整備する。筑波大学が実施する市民アンケートに基づき、情報ニーズや伝達手段を整理した上で、2011年度につくば市内で実証実験を実施するという。

 市民の健康づくりは、市民の健康増進に加え、医療費や介護費用の抑制を図ることを目的とする。まずは、つくば市役所職員を対象に、「Continua Health Alliance」対応の健康機器などを活用した健康管理プログラムの実証実験を進め、効果測定を実施する。