EDA・ソフトウエア 強いLSIやボードを設計するための
 

【詳報】東芝がソフトウエアFMEAの適用事例を発表、「観点リスト」で故障モードを抽出しやすく

進藤 智則=日経エレクトロニクス
2011/07/22 00:30
印刷用ページ

 東芝は、FMEA(故障モード影響解析)をソフトウエア開発に試験的に適用した事例について、2011年7月14~15日に開催された「第41回 信頼性・保全性シンポジウム(主催:日科技連)」において発表した。過去のプロジェクト(社会インフラ向けシステム)の一部モジュールに対して、設計資料などを基にソフトウエアFMEAを実施した結果、当該プロジェクトのシステム・テストで検出された不具合や出荷後不具合など合計5件の不具合をソフトウエアFMEAによって検出することができた。実装工程より前の上流段階で不具合を発見できる効果がある。今後、実開発への適用を検討する。

 ソフトウエアFMEAとは、ソフトウエアの不具合の原因として考えられる要素を「故障モード」ととらえ、ハードウエアのFMEAと同様に各故障モードによる上位システムへの影響を分析するアプローチである。個別の故障によるシステム全体への影響を分析するため、ボトムアップ的な分析アプローチといわれる。

 ソフトウエアFMEA自体は以前から提唱されているが、論理的な構築物であるソフトウエアの場合、その不具合の要因は複雑かつ多様である。このためハードウエアFMEAと比べて故障モードを整理・抽出しにくいほか、適用コストが高くなるため、あまり普及はしていない。今回、東芝はこの課題に対し、「観点リスト」というアプローチを提案し、ソフトウエアの故障モードを設計者が抽出しやすくした。

「検討不足」が一番やっかい

 ソフトウエア開発の各工程における不具合の混入要因として、東芝は三つを挙げた。(1)間違い、(2)誤解、(3)検討不足、である。間違いとは、要求定義や設計、実装などソフトウエア開発の各工程で詳細化を行う際、その詳細化の変換に誤りが混入すること。誤解とは、前の工程で得られた成果物を、次の工程の技術者が参照する際、誤って解釈すること。検討不足とは、各成果物において明示的に表現されていない事象があり、それが検討不足であることである。

 これら三つのうち、間違いや誤解についてはテストや静的解析などでも検出できるが、検討不足についてはレビューに頼る側面が強く、「発見が難しく、検出アプローチの強化が求められる」(登壇した同社 ソフトウェア技術センター プロセス・品質技術開発担当の夏目珠規子氏)。

 不具合情報を設計にフィードバックするアプローチとしては、FMEA以外にも過去トラブル集の利用、チェックリストの利用などがあるが、いずれも再発防止的な側面が強く、FMEAのように探索的に発想を広げ影響を分析する要素は薄い。

機能×観点で故障モードを抽出

 ソフトウエアFMEAでは前述したように不具合の要因が多様なため…

ここから先は日経テクノロジーオンライン会員の方のみ、お読みいただけます。
・会員登録済みの方は、左下の「ログイン」ボタンをクリックしてログイン完了後にご参照ください。
・会員登録がお済みでない方は、右下の会員登録ボタンをクリックして、会員登録を完了させてからご参照ください。会員登録は無料です。

<技術者塾>
電源制御と主回路の定式化手法(2日間)
~状態平均化法によるコンバータの伝達関数の導出と制御設計の基礎について事例を基にわかりやすく解説~



これまでの電源設計の教科書にはない新しい見地から基礎理論および実践例について解説するとともに、「系の安定度」の問題点と解決手法についても解説します。今年3月に発刊した「スイッチング電源制御設計の基礎」(日経BP社刊)をベースに最新の内容を解説いたします。詳細はこちら

【日時】:2015年9月28~29日 10:00~17:00 (開場9:30)予定
【会場】:化学会館(東京・御茶ノ水)
【主催】:日経エレクトロニクス

マイページ

マイページのご利用には日経テクノロジーオンラインの会員登録が必要です。

マイページでは記事のクリッピング(ブックマーク)、登録したキーワードを含む新着記事の表示(Myキーワード)、登録した連載の新着記事表示(連載ウォッチ)が利用できます。

協力メディア&
関連サイト

  • 日経エレクトロニクス
  • 日経ものづくり
  • 日経Automotive
  • 日経デジタルヘルス
  • メガソーラービジネス
  • 明日をつむぐテクノロジー
  • 新・公民連携最前線
  • 技術者塾

Follow Us

  • Facebook
  • Twitter
  • RSS

お薦めトピック

日経テクノロジーオンラインSpecial

記事ランキング