日本IBMとつくばウエルネスリサーチ(TWR)は、データ分析技術を活用した「健康づくりクラウド」に関して協業すると発表した。TWRが手掛けてきた健康プログラムをIBMのクラウド基盤で再構築し、2011年7月に本格運用を始める予定である。

 TWRの健康プログラム「e-wellness」は、全国の自治体や企業の健康保険組合において約5万人が活用し、医療費削減などの効果を上げているという。今回、同プログラムを改良した「新e-wellnessシステム」を、IBMのクラウド基盤で提供する。

 これまで同プログラムで蓄積してきた膨大なデータ(日々の総歩数や筋力トレーニングなどの時系列データ)に個人のライフスタイルなどの情報を加味し、データを多角的に分析する。これにより、参加者一人ひとりの状態に応じた指導プログラムを提供していく。具体的には、参加者のプログラム継続を支援する「継続支援エンジン」や、参加者個人の生活パターンや健康への関心度合いに合わせた個別プログラムを作成する「ライフスタイル型プログラム」を共同で開発する。

 例えば、健康プログラムから脱落する人/継続する人に特徴的に現れる行動パターンを特定し、それらの組み合わせから各参加者の脱落可能性を判定するモデルを作成する。この他、TWRの指導理論に基づき、各行動パターンに対する改善プログラムを用意し、個々の参加者の継続可能性と行動パターンに即した個別の指導プログラムを提供できるようにするという。