講演するComcast社 会長兼CEOのBrian Roberts氏
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XFINITY TVのデモ
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 米CATV最大手のComcast社は、Webサービスで電子番組表やコンテンツの検索、リコメンド(推薦)などを提供するCATVサービスを開発した。テレビに接続するセットトップ・ボックス(STB)だけではなく、米Apple社の「iPad」などのタブレット端末でも同様の映像サービスを利用できる。

 米国シカゴで開催されたCATV関連の展示会「The Cable Show」で、2011年6月16日(米国時間)に講演したComcast社 会長兼CEOのBrian Roberts氏がデモを披露した。同社は米国ジョージア州オーガスタで試験サービスを始めたが、より広い地域でのサービス展開はまだ未定だ。

 新サービスは「XFINITY TV」。英国のSTBメーカー、Pace社が開発し、米Intel社のSoC「CE3100」を搭載するSTBを採用した。DOCSIS 3.0対応のケーブル・モデムやHDD録画機能、IP通信に対応した映像データを扱う機能などを備える。

 利用者の好みに合わせて、HDDに録画した番組やお気に入りの番組、お薦めの番組などの情報を一覧表示する「MyTV」と呼ぶWebサービスを提供する。映像コンテンツの検索サービスでは、放送番組やVOD(ビデオ・オンデマンド)コンテンツ、録画番組の中から特定のキーワードに関連した番組を探せる。米Facebook社のSNSと連携し、SNS上の友人が興味を持った映像コンテンツの情報などを共有するサービスも提供する。

 こうしたサービスをComcast社が開発したテレビ向けWebサービスの技術基盤「Xcalibur」を使って配信する。Webサービスを新たに加えることも可能。同社はCable Showの会期中にルクセンブルクのSkype社との提携も発表しており、今後テレビ会議などのサービスも追加していくことになりそうだ。

 このほか、Roberts氏は講演でCATV網を使った最大データ伝送速度1Gビット/秒のインターネット接続技術も披露した。実際のCATV網を使い、HD画質のドラマ・シリーズの1シーズン分を1分半ほどでダウンロードするデモを見せた。