図1 Wii Uの試遊コーナー
図1 Wii Uの試遊コーナー
[画像のクリックで拡大表示]
図2 Battle Miiの画面。画面内の映像は左右に分割され、二人のプレーヤーにそれぞれ1画面ずつ割り当てられている。戦闘機のプレーヤーはコントローラの画面を見ながら操作する。
図2 Battle Miiの画面。画面内の映像は左右に分割され、二人のプレーヤーにそれぞれ1画面ずつ割り当てられている。戦闘機のプレーヤーはコントローラの画面を見ながら操作する。
[画像のクリックで拡大表示]
図3 コントローラの画面には、戦闘機がゲーム・ステージ上空から地上を見た映像が表示されている。
図3 コントローラの画面には、戦闘機がゲーム・ステージ上空から地上を見た映像が表示されている。
[画像のクリックで拡大表示]
図4 Chase Miiの画面。画面内の映像は四つに分割され、4人のプレーヤーにそれぞれ1画面ずつ割り当てられる。各画面の下には、逃亡者と操作するキャラクターとの距離が表示される。この距離をヒントにして逃亡者を追いかける。
図4 Chase Miiの画面。画面内の映像は四つに分割され、4人のプレーヤーにそれぞれ1画面ずつ割り当てられる。各画面の下には、逃亡者と操作するキャラクターとの距離が表示される。この距離をヒントにして逃亡者を追いかける。
[画像のクリックで拡大表示]
図5 逃亡者が使うコントローラの画面には2種類の映像が表示されている。鬼とその周辺部分を映した映像と、ゲーム・ステージ全体を上空から俯瞰して見た映像である。後者の映像には、自分と追いかけてくる4人のユーザーの位置が表示されている。
図5 逃亡者が使うコントローラの画面には2種類の映像が表示されている。鬼とその周辺部分を映した映像と、ゲーム・ステージ全体を上空から俯瞰して見た映像である。後者の映像には、自分と追いかけてくる4人のユーザーの位置が表示されている。
[画像のクリックで拡大表示]

 行列に並ぶこと約4時間。ようやくWiiの後継機「Wii U(ウィー・ユー)」の試遊コーナーに入ることができた(Tech-On!関連記事1同2同3)。同コーナーには数台のWii Uが置いてあり、数種類のゲームやデモを体験できる(図1)。いずれも現時点では具体的な商品化の予定はないが、遊ぶことでWii Uの特徴や使い方、機能などをつかめる。

 中でも、「Wii Uならでは」と感じるのは、タブレット型コントローラの画面とテレビ画面の二つをうまく利用したゲームだ。実際遊んでみるととてもおもしろい。その例として、本稿では2種類のゲームを紹介したい。「Battle Mii」と「Chase Mii」である。操作するキャラクターに、アバターの「Mii」を利用できるのでこの名称が付いたとみられる。

 Battle Miiはプレーヤー3人で遊ぶ。うち2人がチームを組んで、残りの一人が操作する戦闘機と戦うゲームである。戦闘機はゲーム・ステージ上を飛んでおり、ユーザー2人はこの上空にある戦闘機と銃撃戦を繰り広げる。

コントローラの画面を見て操作


 テレビ画面の映像は左右に分割され、同じチームのプレーヤー2人にそれぞれの分割画面が割り当てられる(図2)。各ユーザーは左右の画面のそれぞれを見ながら従来のWiiリモコンとヌンチャク型コントローラでキャラクターを操作して遊ぶ。ディスプレイ内の映像は、一人称視点で、この2人にとってはいわゆる「FPS(first-person shooter、ファーストパーソン・シューティングゲーム)」型のゲームとなる。

 第3のユーザーが操作するタブレット型コントローラの画面には、戦闘機がゲーム・ステージ上空から地上を見た映像が表示されている(図3)。ユーザーはこの画面を見ながら戦闘機を操作し、地上にいる2人のプレーヤーと戦う。

 残念ながら筆者が体験したのは小型戦闘機ではなく、戦闘機と戦うプレーヤーだった。ただ、戦闘機は人間が操作しているので、その動きは単純ではない。そこで戦闘機のプレーヤーの心理を読みつつ、行動して戦うことがポイントになる。それがおもしろい。

 戦闘機と戦うプレーヤーの操作は意外と難しい。おそらく、このゲームは、コア・ゲーマーなど、ある程度ゲームの操作に慣れたユーザーに向くものだと考えられる。

繰り広げられる心理戦


 Battle Miiで繰り広げられた心理戦をさらに前面に押し出したのが、Chase Miiだ。単純に言えば、鬼ごっこ。タブレット型コントローラを持った逃亡者役のプレーヤーを、4人のプレーヤーが追いかける。ゲームの冒頭に一定時間、逃亡者だけが移動して隠れる。そのキャラクターを、他のプレーヤーが制限時間内に捕まえれば、捕まえたプレーヤーの勝利。逆につかまることなく逃げ切ることができれば、逃亡者の勝ちとなる。

 テレビ画面の映像は上下左右四つに分割され、追跡側の4人のプレーヤーに分割画面がそれぞれ割り当てられる(図4)。各画面は各ユーザーの一人称視点の映像が表示される。

 逃亡者はコントローラの画面を見ながら自分のキャラクターを操作する。画面には2種類の映像が表示されている(図5)。一つは逃亡者とその周辺部分を映した映像。もう一つがゲーム・ステージ全体を上空から俯瞰して見た映像である。この映像には自分と追いかけてくる4人のユーザーの位置が表示されている。この映像を見ながら、走ったり、隠れたりしてつかまらないように逃げる。

 このため、すべてのキャラクターの位置が分かる逃亡者が圧倒的に有利に見える。だが、むやみに動くと追跡側に発見されてしまう。そのため、追跡側のキャラクターがどのようにして動くのかをある程度予測しつつ隠れながら上手に行動しないと、すぐに見つかってしまう。加えて、若干だが、逃亡者の移動速度は追いかける側よりも遅く設定されているようだ。つまり、見つかった後、単純に走っているだけでは追跡側にどんどんと距離を縮められてしまい、いずれ逃亡者は捕まってしまう。

 追いかける側にも逃亡者を捕まえるためのヒントが与えられる、逃亡者と自分のキャラクターとの距離がリアルタイムで表示されるのだ。この距離を見て逃亡者の位置を推定して移動し、逃亡者に近づくことができる。こうしたルールのため、逃亡者と追いかける側のはげしい心理戦が繰り広げられることになる。

 このChase Miiでは、基本的に各キャラクターを移動させるだけなので、操作は単純だ。Battle Miiよりも初心者に向きのゲームといえる。

 今回、本稿で紹介した二つのゲームに共通するのは、複数のプレーヤーの中に一人だけ異なる視点で操作するプレーヤーが混じっていること。これがゲームをさらに面白くする。

 インターネットを利用し、離れた場所にあるディスプレイ上でそれぞれ違った映像を表示させれば同じようなこともできるだろう。それとWii Uが大きく異なるのは、視点の異なる映像を見ているユーザー(タブレット型コントローラを使うユーザー)が「同じ場所」にいることだ。これがプレーヤー同士の強い一体感を生み出し、一味違った楽しさにつながる。