図1 正式名を発表
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図2 価格を発表
図2 価格を発表
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図3 PSブランドのテレビを発売
図3 PSブランドのテレビを発売
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図4  PS Vitaの体験ブースには長蛇の列
図4  PS Vitaの体験ブースには長蛇の列
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 ソニー・コンピュータエンタテインメントは、2011年6月6日午前(現地時間)、E3に先立って発表会を開催した。この中で、同社が携帯型ゲーム機「PSP」の後継機として開発を進める「NGP」の正式名や価格などを明らかにした。その名は「PlayStation(PS) Vita(ビータ)」(図1)。Vitaはラテン語で,「Life」という意味がある。日々の生活そのものを遊びに変えていきたいとの思いを込めたという。

 無線通信機能として、無線LAN(WiFi)のみを搭載するモデルと、WiFiと3G回線を搭載するモデルの2品種発売する。価格はWiFiモデルが249.99米ドル(日本では2万4980円、欧州では249ユーロ)、3Gモデルが299.99米ドル(日本では2万9980円、欧州では299ユーロ)である(図2)。2011年末から順次発売する予定だ。

 発表会では、PS Vitaの搭載するタッチ・パネルやモーション・センサ、背面タッチ・パッドといった各種センサ群を利用した動作実演を披露した。また、PS Vitaとプレイステーション 3(PS3)の連携も見せた。例えば、PS Vitaでゲームを進め、その後中断。PS3でその続きからプレイするといったデモンストレーションである。

 ネットワークを通じて複数のユーザー同士でボイス・チャットやテキスト・チャットを楽しめるアプリケーション「Party」も発表した。

通信環境を整えるため,米AT&Tの無線LANスポット2万4000カ所をPS Vitaのユーザーが利用できるようにする。

 このほか、発表会では24型の3次元(3D)ディスプレイを2011年秋から発売することを明らかにした。フレーム・シーケンシャル方式を採用する。ゲーム用として,2人で遊ぶゲームにおいて,プレーヤーそれぞれに異なる映像を表示できる機能を搭載する。

 3D対応のPS3向けゲーム・ソフト1本とHDMIケーブル、そして3Dメガネを同梱して価格は499.99米ドルである(図3)。

PS Vitaの体験に長蛇の列

 発表会終了後、パーティと共にPS3向けゲーム・ソフトやPS Vitaの体験会などが開かれた。PS Vitaに関しては会場の1画を区切った体験コーナーを設けていた。体験コーナーは少なくとも2カ所ある。一つは一般参加者向けで、もう一つは限られた参加者向け(いわゆる「VIP」向け)である。筆者も体験しようと、一般参加者向けの体験コーナーに向かったところ、長蛇の列ができていた(図4)。体験コーナーで入場制限をしていたためだ。

 並んでから約40分後、ようやく体験コーナーにたどりつく。コーナー内での撮影は禁止。体験できるゲームはアクション系のゲームや音楽系のゲーム、テニス・ゲームなど。これらのゲームを約5分交代で順番に遊ぶ。タッチ・パネルや背面タッチ・パッド、各種ボタンを駆使して操作する。入力に対する応答はすばやく、操作は軽快だった。ただし、背面タッチ・パッドによるゲーム操作は初めてなので、短い体験時間の中ではなかなか操作に慣れなかった。
 
 PS Vitaの具体的な重さは教えてもらえなかったが、5インチという画面サイズにしては軽く感じた。

 なお、一般参加者向けコーナーには20台以上のPS Vitaがあった。一方、VIP向けの体験コーナーには10台ほどあったようだ。つまり、試遊できたPS Vitaは,計30台以上。2011年1月末に発表されたときには、試作機の数は数台といわれていた。このときよりも動作する試作機は増え、年末商戦に向け着実に開発が進んでいることをうかがえた。