UTANのシステムの実演の様子。テレビの下部に、視聴者の様子を撮影するカメラ。視聴者の手元に、各種情報を表示するタブレット端末がある。
UTANのシステムの実演の様子。テレビの下部に、視聴者の様子を撮影するカメラ。視聴者の手元に、各種情報を表示するタブレット端末がある。
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視聴者の様子を推察するための各種認識技術の様子。顔認識、表情認識、行動認識によるデータを組み合わせて推察する。
視聴者の様子を推察するための各種認識技術の様子。顔認識、表情認識、行動認識によるデータを組み合わせて推察する。
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推定の一例。誰が見ているか、そして関心度の高さの変化、視聴しているか、よそ見をしているかなどと番組内容との関係が分かる。
推定の一例。誰が見ているか、そして関心度の高さの変化、視聴しているか、よそ見をしているかなどと番組内容との関係が分かる。
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 NHK放送技術研究所は、開催中の「技研公開2011」で、「テレビ視聴インタフェースUTAN(user technology assisted navigation)」を提案した。これは、テレビが視聴者の様子を観察して、視聴状況に合わせて番組に関連した情報を提供するというものである。

 UTANは、テレビに装着したカメラで視聴者を撮影し、誰がテレビを見ているか、どの程度関心を持って見ているか、といった視聴状況から、視聴者の番組への「興味度」「関心度」「集中度」などを推察する。そしてその状況に応じた情報を、視聴者の手元のタブレット端末などに「お薦め情報」などの形で提供する。同時に複数の視聴者がいる場合も視聴者ごとに、興味度などを識別できるという。

 この推察は、視聴者の顔、表情、そして動作を基に行う。例えば、「番組をずっと見ているのに、表情が一定時間変わらなければ、それは番組に集中していると推察できる」(説明員)というわけだ。

 現時点では、表情の認識は、一般的な状態からのズレを測っているだけであるため、「笑っているか怒っているかなどは区別していない」(説明員)。ただし、技術的にはその区別も可能であるという。