GEヘルスケア・ジャパン 代表取締役社長 兼 CEOの熊谷昭彦氏
GEヘルスケア・ジャパン 代表取締役社長 兼 CEOの熊谷昭彦氏
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GEヘルスケア・ジャパン 取締役副社長 兼 ヘルスケア統括本部長の川上潤氏
GEヘルスケア・ジャパン 取締役副社長 兼 ヘルスケア統括本部長の川上潤氏
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 GEヘルスケア・ジャパンは2011年5月13日、東京都内で2011年度の事業戦略と新製品の発表会「ヘルシーマジネーション EXPO」を開催した。同社 代表取締役社長 兼 CEOの熊谷昭彦氏は、「日本のニーズに対応した製品を開発し、それを世界に展開する」(同氏)と述べ、“日本発”の製品戦略を進めていく方針を示した(新製品についての記事はこちら)。

 具体的にGE ヘルスケア・ジャパンが描くのは、日本が直面する超高齢化社会への対応である。同社はこれを、「Silver to Gold戦略」と呼ぶ。「日本は世界に先駆けて超高齢化社会を迎える。これは、日本(発の製品など)が世界にはばたくチャンスであり、『金脈』でもある」(同社 取締役副社長 兼 ヘルスケア統括本部長の川上潤氏)。例えば、「MRIの検査を受ける人の大半は高齢者」(同氏)であることなどから、高齢者のニーズを製品開発に徹底的に反映させていくことが「キー・コンセプト」(同氏)だとした。

 GEヘルスケア・ジャパンが「IJFG(in Japan for Global)」と呼ぶ、こうした日本発の製品の例として、川上氏は2010年に発売したX線CT装置「Optima CT660」などを挙げた。これは、液晶モニターを搭載して患者不安を緩和する工夫を盛り込むなど、日本の患者ニーズを受け日本国内で開発を手掛けた製品である。川上氏は「Optima CT660は日本でもヒットし、さらに世界でもヒットした。まさに、『IJFG』の成功例だ」と位置付けた。

 製品戦略のほかに、営業戦略やソリューションなどについても同様に、超高齢化社会を見据えた取り組みへと舵を切ることを示した。例えば、営業戦略としては、これまでの診断装置別の営業体制から、「超高齢化社会で重要になる分野に対して、その診断領域の一連のシステムとして提案できる体制にする」(GEヘルスケア・ジャパンの川上氏)という。また、ソリューションについても、超高齢化社会の進展に伴い重要になる在宅医療などの「プライマリーケア」に必要な技術やツールを提案していくとした。

 プライマリーケアへの取り組みとして、川上氏は2010年に発売した超音波診断装置「Vscan」の例を挙げた。これは、携帯電話機のような形状の超小型・軽量の装置で、超音波診断装置に慣れていない、かかりつけ医などでも手軽に使える装置である。「Vscanは、世界中での販売台数うち、半分以上が日本だ」(川上氏)とし、こうした製品ニーズの中心は日本にあることを示した。

 このほかGEヘルスケア・ジャパンは、これまでの「B to B」の事業だけでなく、「B to C」「B to B to C」のような取り組みも進めていくとした。「高齢者や患者に直接、啓蒙を図っていくような取り組みも進めたい」(同社の川上氏)。