Netflix社の動画ストリーミング・サービス
Netflix社の動画ストリーミング・サービス
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 動画配信サービス大手の米Netflix社は、2011年第1四半期の決算を発表した。同時に、同社の加入者数が2360万人になったと発表した(PDF形式の株主宛の手紙)。2360万人のうち、2280万人の加入者は米国に居住する。この数字は米国の全世帯の21%に相当する計算になるという。

Netflix社の2011年第1四半期の売上高は7億1900万米ドルで、前年同期比で46%増加した。加入者数は同63%増である。

ネット・テレビの普及が成長に貢献

 Netflix社は、オンラインで注文する宅配レンタルDVDビジネスを足ががりに成長した。その後、大手スタジオのコンテンツを含む映画やテレビ番組をインターネッ上でストリーミング形式で配信するサービスを開始し、急速に加入者を増やしている。同社のストリーミング・サービスに対応するインターネット・テレビなどの普及が、成長に大きく貢献しているという。DVDレンタル店大手の米Blockbuster社が2010年9月に倒産した背景には、Netflix社の成長があるとの指摘が多い。

 Netflix社の成長は、ケーブルテレビなど有料テレビ事業者にも脅威を与えている。Netflix社は月額7.99米ドルで見放題のサービスを提供しており、毎月の利用料を節約したい有料テレビユーザーがNetflix社のサービスに乗り換える可能性があると指摘されているからだ。ケーブルテレビ大手の米Comcast社の2010年における加入者数が、2011年第1四半期のNetflix社と同じ2280万人だったことは、有料テレビ事業者の懸念を増幅させている。

 Netflix社は2010年、ストリーミング・サービスをカナダでも開始した。2012年にはさらにもう一カ国でサービスを開始する予定という。