図1 OpenFeint社を買収した狙い(グリーの資料)
図1 OpenFeint社を買収した狙い(グリーの資料)
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図2 OpenFeint社の概要。CEOのJason Citron氏はCEO職にとどまる(グリーの資料)
図2 OpenFeint社の概要。CEOのJason Citron氏はCEO職にとどまる(グリーの資料)
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図3 プラットフォーム事業とソーシャル・ゲーム事業の国際展開(グリーの資料)
図3 プラットフォーム事業とソーシャル・ゲーム事業の国際展開(グリーの資料)
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 グリーは、米国でスマートフォン向けのソーシャル・ゲーム・プラットフォーム「OpenFeint」を運営する米OpenFeint社の株式を100%取得し、完全子会社化したと発表した(発表資料)。OpenFeint社の既存株主などに支払った買収の対価は合計1億400万米ドルである。

 国内で「GREE」サービスを提供するグリーは、課金やゲーム配信・コミュニティー機能などを提供するプラットフォーム事業と、そのプラットフォーム上のゲームの開発やパートナーの支援などを行うソーシャル・ゲーム事業を行っている。同社はかねて、スマートフォン向けを中心に、事業の国際展開を進めると表明してきた。既に中国Tencent社や、東南アジアなどでサービスを提供する米Project Goth社と提携しているが、今回のOpenFeint社の買収によって、国際展開を加速できるとする。

 iOSやAndroid用のゲーム・アプリにランキングやオンライン対戦、チャットといったコミュニティー機能を提供するOpenFeint社のユーザー数は、7500万人に上るという。「GREEの2500万ユーザーと合わせて、1億ユーザーが参加するプラットフォームを持つことになる」(グリー 代表取締役社長の田中良和氏)。

 プラットフォーム事業については、「OpenFeint社のユーザー数の多さが強みになる。さらにOpenFeint社が(北米の移動通信事業者の上位2社である)Verizon Wireless社とAT&T社と提携しており幅広いユーザーにリーチできるという強みもある」(田中氏)。今後、グリーからOpenFeint社に技術者を派遣するといった交流や、ソーシャル・ゲーム・プラットフォームに関するノウハウの共有により、OpenFeintのソーシャル機能を強化していく。

 ソーシャル・ゲーム事業では、国内のGREE向けに開発したソーシャル・ゲームをOpenFeintで展開したり、グリーの米国子会社であるGREE International社が開発したソーシャル・ゲームをOpenFeintとGREEの両方で展開したりする予定だ。GREEにコンテンツを提供している企業に対しては、当初はGREEとOpenFeintの仕様が異なることを前提にOpenFeintを紹介し、移植作業に協力していく。将来的にはGREEとOpenFeintのAPIの共通化を進めるほか、「GREEとOpenFeintの統合も検討していく」(田中氏)。

 OpenFeint社にはグリーの競合企業であるディー・エヌ・エーが出資していた。それが今回の買収に与えた影響については、「個別の会社については答えられない」(グリー 取締役 執行役員 CFO 国際事業本部長の青柳直樹氏)とした。