<b>iPad 2の液晶パネル</b><br />初代iPadとあまり違いは見られなかった。
<b>iPad 2の液晶パネル</b><br />初代iPadとあまり違いは見られなかった。
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&lt;b&gt;液晶パネルを取り外したところ&lt;/b&gt;&lt;br /&gt;内部が左右非対称の構成になっているのが分かる。
<b>液晶パネルを取り外したところ</b><br />内部が左右非対称の構成になっているのが分かる。
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&lt;b&gt;金属カバーを取り外したメイン基板&lt;/b&gt;&lt;br /&gt;無線LAN/Bluetooth機能は別基板のモジュール(右上)になっている。
<b>金属カバーを取り外したメイン基板</b><br />無線LAN/Bluetooth機能は別基板のモジュール(右上)になっている。
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 iPad 2の前面ガラスの裏面には、初代iPadと同様にタッチ・パネルが密着する形で取り付けられていた。加えてiPadではタッチ・パネルを取り囲むように樹脂製のフレームが取り付けられており、前面ガラスを補強していた。一方、iPad 2にはこのフレームがなく、前面ガラスが両面テープで筐体に直接、貼り付けられていた。

 前面ガラスに続いて液晶パネルを取り外すと、電磁波対策の金属カバーに覆われたメイン基板と3個のLiポリマ2次電池が顔を出した。念のために液晶パネルも分解してみたが、仕様上はiPadと変化がない部分であり、光学フィルムの枚数なども変わっていないようだった。

 内部構成の特徴は、iPadがほぼ左右対称だったのに対し、iPad 2は左右非対称になったことだ。iPad 2では全体の薄型化のために、Liポリマ2次電池がiPadの約4.2mmから約2.5mmに薄型化されている。電池の薄型化で容量が減った分、個数をiPadの2個からiPad 2では3個に増やすことで、同等以上の容量を確保した。「3枚の電池を並べるには全体の構成を非対称にせざるを得なかったのではないか」というのが技術者の推測である。

 非対称になると重量のバランスが悪くなる可能性があるが、実際に持ったときにバランスの悪さを感じるようなことはなかった。そのあたりも考慮して設計されているようだ。ちなみに、iPadでは電池を保護する樹脂製のフレームが使われていたが、iPad 2では薄型・軽量化のためにこのフレームも廃止されている。

 印象的だったのは、内部でも両面テープが多用されていたことだ。コードや小さい部品の固定に多く両面テープが使われていた。振動への対策だと思われる。Liポリマ2次電池も両面テープで筐体に直接貼り付けられていた。メイン基板の固定には、ネジ留めと両面テープが併用されていた。両面テープの接着力は強く、メイン基板を筐体から取り外す際に力を入れたせいで基板が反ってしまったほどだ。

 もっとも、テープ類が無造作に使われている中国メーカー製の「iPadモドキ」とは異なり、両面テープが多用されているにもかかわらず、安っぽい印象はない。内部構成は整然としており、無駄な空間がないように見えた。両面テープの厚みなども計算に入れて設計されているようだ。

 メイン基板は細長い形状をしている。金属カバーを取り外すと、プロセサとDRAMを積層した「A5」や東芝製のフラッシュ・メモリ、米Apple社のマークが付いた電力管理用チップなどが見えた。無線LAN/Bluetooth機能は小型基板にモジュール化され、コネクタを介してメイン基板に搭載されていた。基本的に、従来のiPhoneやiPadとあまり変わらない構成だ。

 このメイン基板を、電子部品やセンサについて詳しい技術者に見せたところ、次のようなコメントが返ってきた。「加速度センサとジャイロスコープ(角速度センサ)が見当たらない」。

その4に続く)