<b>マイナス・ドライバーをねじ込んでいるところ</b><br />ガラスが大きくたわんでしまっている。
<b>マイナス・ドライバーをねじ込んでいるところ</b><br />ガラスが大きくたわんでしまっている。
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&lt;b&gt;ガラスに入ってしまったヒビ&lt;/b&gt;&lt;br /&gt;ドライバーを差し込んでいたところからヒビが広がっている。
<b>ガラスに入ってしまったヒビ</b><br />ドライバーを差し込んでいたところからヒビが広がっている。
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&lt;b&gt;アイロンで温めているところ&lt;/b&gt;&lt;br /&gt;熱を加えることで、前面ガラスが外れやすくなった。
<b>アイロンで温めているところ</b><br />熱を加えることで、前面ガラスが外れやすくなった。
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&lt;b&gt;前面ガラスを外したところ&lt;/b&gt;&lt;br /&gt;アイロンのおかげで、何とか形状を保ったまま外すことができた。
<b>前面ガラスを外したところ</b><br />アイロンのおかげで、何とか形状を保ったまま外すことができた。
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 iPad 2には、初代iPadと同様に外に露出しているネジはない。このため、分解しようとすればこじ開けるしかない。そこで、Al合金製の筐体と前面ガラスの間にカッターナイフの刃を差し込んで隙間を作り、その隙間をマイナス・ドライバーで徐々に広げていった。

 「妙に固いな」。フタがはめ込まれた機器をこじ開ける場合、フタが少し開けばあとは比較的楽に外れるのが普通だ。しかし、iPad 2の前面ガラスと筐体との隙間はなかなか広がらない。前面ガラスが大きくたわむ。大丈夫だろうか。

 そのとき「ピシッ」と鋭い音を立ててガラスにヒビが入った。「壊してしまった」。分解班の間に失望感が広がる。それでも作業を続けていると、どんどんヒビが大きくなっていく。前面ガラスの一つの角は、割れてボロボロになってしまった。

 「完全に壊して取り外すか」と皆が思い始めていたとき、撮影のために同席していたカメラマンが有力な情報を突き止めた。撮影画像の保存用に持ってきていたノート・パソコンで、他のiPad 2分解事例を調べてくれたのだ。その事例では、前面ガラスを取り外す際にドライヤーで熱を加えていた。どうやら前面ガラスははめ込まれているのではなく接着されており、熱でその接着力を弱めているようだった。

 しかし、手元にドライヤーはない。代わりに見つかったのはアイロンだった。そこで、iPad 2の上に紙を敷き、アイロンで温めることにした。確かに熱を加えてみると、接着力が弱くなるようだった。温めながら、ヒビが広がらないよう慎重に剥がしていく。ほどなく前面ガラスを外すことに成功した。

 ガラスの裏面を見ると、実際に接着に使われていたのは両面テープだった。前面をテープで接着するのは、中国メーカー製の「iPadモドキ」によく見られた手法である。本家が模倣品と同様の手法を採用していたのだ。

その3に続く)