図1 上位4社の台数シェアと平均単価の推移。データはBCN調べ
図1 上位4社の台数シェアと平均単価の推移。データはBCN調べ
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 調査会社のBCNはビデオ・カメラの国内市場動向をまとめ、2011年2月のメーカー別シェアでパナソニックが首位を獲得したことを発表した。ビデオ・カメラ市場ではこれまでソニーが首位を堅持していたが、パナソニックが台数シェアを27.1%まで伸ばし「我々が調査を開始して以来、初めて首位を獲得した」(BCN)。

 ソニーの2011年2月におけるシェアは19.2%で、一気に4位へと後退した(図1)。ソニーのシェアが20%を割り込んだことも「最近の3年間の調査では初めて」(BCN)だ。パナソニックに続くのがビクター(シェアは20.6%)とキヤノン(同19.4%)である。

 パナソニックの躍進とソニーの急失速は、販売台数の伸び率を比較すると分かりやすい。2011年2月と2010年2月の販売台数を比べると、パナソニックは前年同月比約2割増と好調だったのに対して、ソニーは前年同月比半減と低迷した。これがシェアの逆転へとつながった。

 ソニーの後退は、「新機種の供給が遅れ、旧機種を中心に販売せざるを得なかったことが大きな要因」(BCN)という。2010年2月のソニーの販売実績をみると、同年1~2月に販売を開始したばかりの新機種の占有率は約7割にも達していた。これに対して、2011年は新機種の比率はわずか約3割にとどまった。