工作機械メーカー各社が、東日本大震災の影響を受けた顧客の支援を拡充している。地震発生直後に比べ、道路事情が改善したことに加え、ガソリンも調達しやすくなってきたため、工場の技術者も顧客サポートに回し、復旧を急ぐ。ただし、一部で全く手付かずの地域も残っており、復旧は長期化しそうだ。

 例えばヤマザキマザック(本社愛知県・大口町)は、地震発生翌日の2011年3月12日に対策本部を設置。東北・関東地方の顧客リストを作成し、一斉に連絡を取った。現在は、被災地域のサービス技術者だけではなく、中部・近畿のサービス技術者や工場の技術者も加えた約200人が被災地域で顧客の復旧支援に従事している。「最も多い依頼は、機械の水平(レベル)出し。地震の揺れによって水平を保つための敷き板から落ちてしまったケースが目立つ」(同社)。こうした軽微な被害については徐々に解消されつつあるが、中には大型機械が数mも動いたケースもあり、今後はこうした被害の大きい顧客への支援を本格的に進めていくという。

 森精機製作所も、地震直後から顧客への連絡を行った。「被害がそれほど大きくない顧客は自ら連絡してくる。しかし、被害が大きい顧客ほど連絡が付きにくい」(同社)。現在は千葉と伊賀の2カ所にコールセンターを設置し、総勢80人体制で顧客の支援依頼を受け付けている。直接現場に行くのが難しい場合は、電話で復旧支援の助言をしているという。

 牧野フライス製作所では、福島南部の顧客を中心に復旧支援が進んでいる。「ガソリンが徐々に調達できるようになっており、福島南部であれば行けるようになってきた」(同社)。だが、それよりも北になるほど状況は難しい。「原発(福島第一原子力発電所)の周囲30kmは、顧客自体がほとんど動いていないので、復旧もやりようがない」(同社)。工場の技術者もサポートに回り、レベル出しや動作確認といった復旧作業を行っているという。

 次ページ以降に、Webサイトで積極的な顧客支援を表明している工作機械メーカー、プレス機メーカー、射出成形機メーカー、ロボットメーカーなどを中心に、各社の問い合わせ窓口を50音順に掲載。
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