三菱化学は,同社関係事業所における地震被害の最新状況を明らかにした(発表資料)。今回明らかにしたのは,小田原事業所と筑波事業所,鹿島事業所の3拠点。このうち,小田原事業所が,2011年3月23日からすべての製造設備で稼動を再開したという。筑波事業所も,安全を確認できた製造設備から稼動を再開させている。4月上旬には,全製造設備の稼動再開を見込んでいる。

 一方,復旧までに時間を要するのが鹿島事業所である。現在,製造設備はすべて停止し、自家発電なども停止しているという。バース(港内において入出荷を行う場所及び使用する設備)のほか,事業所地域の道路も損傷しているため、陸上・海上からの入出荷が困難だという。加えて,バース以外のインフラ関連設備・機器の一部で,著しい損傷部分があることが判明したとする。このため,プラントの稼動再開までに,最短でも2カ月以上を要するとみている。

 現在は、稼動再開に向けた詳細な調査が必要なため、事業所内の点検やプラントの状況確認などを継続して行いつつ、一部復旧作業にも着手している。なお、製造設備については、現在のところ火災などの保安上の問題はなく,安全に停止しているとする。