新日本製鉄は、東日本大震災で損壊した事業所の稼働状況や震災地域への製品の出荷状況などについて、2011年3月22日時点の最新の情報を明らかにした(ニュースリリースTech-On!の関連記事)。東北・関東地方で電力供給能力が不足しているため、節電に配慮した稼働水準にとどめた他、鉄源工程の副生成物であるガスを使った発電を最大限に行い、東京電力に電力を供給している。

釜石製鉄所(岩手県釜石市)の状況
 損壊が激しかった釜石製鉄所では、現在も同社/グループ会社/協力会社の社員および家族の安否調査を継続している。港湾設備については復旧に向けた調査を始めたが、製鉄所構内の冠水により生産は休止している。これまで同製鉄所で生産していた製品については、他製鉄所やグループ会社での代替生産に切り替えている。

君津製鉄所(千葉県君津市)の状況
 鉄源工程の稼働を再開し、震災前の生産水準まで回復した。特に関東地方で電力需要に対して供給能力が不足していることから、鉄源工程で発生する副生成物のガスにより発電設備をフル稼働させて、東京電力への電力供給を行っている

 圧延以降の工程についても稼働体制は整ったが、前述の電力不足を考慮し、稼働水準を抑えている。

製品出荷の状況
 損壊の激しい釜石製鉄所を除けば、製品の出荷に支障は出ていない。東北地方の港湾が復興するまでには時間がかかる見込みのため、代替輸送ルートの開拓を進めている。

提携先への応援
 資本提携を結んでいる住友金属工業から応援要請があったため、最大限の対応を行っている。