ニコンは,東日本大震災に伴う同社の被災に関し,3月22日時点で判明した状況を発表した。人的被害については今回,「残念ながら宮城県名取地区において仙台ニコンの従業員1名の死亡が確認され,安否未確認の従業員が3名いる」と言う。3月14日時点では従業員の中に負傷者がいることが判明していたが,死亡者は確認されていなかった(Tech-On!関連記事)。生産設備については,同社は被災地域内の宮城県,栃木県,茨城県に1製作所・7製造会社を持っており,すべてが操業を停止していた。以下のような順序で操業を再開していく。

■3月18日に操業再開
・栃木ニコン(栃木県大田原市)

■3月23日に操業再開
・ニコン 水戸製作所(茨城県水戸市)
・ニコン・トリンブル 蔵王製作所(宮城県刈田郡蔵王町,持分法適用会社)
・栃木ニコンプレシジョン(栃木県大田原市)
・黒羽ニコン(栃木県大田原市)
・那須ニコン(栃木県那須烏山市)

■3月中に操業再開の見通し
・仙台ニコン(宮城県名取市)
・宮城ニコンプレシジョン(宮城県刈田郡蔵王町)

 ただし,ニコンは計画停電の影響や調達部品の確保状況によってフル操業が実現できず,顧客の要求に対して十分な供給ができない事態が起きることを想定している。「当社としては最大限の努力をしてこれを乗り切る考えではありますが,お客様におかれましては事情をご賢察賜りますようお願い申し上げます」(同社)とコメントしている(発表資料)。