ソニーは,東日本大震災の影響を受けたグループ国内製造拠点に関し,3月22日10時時点の状況を発表した。3月14日時点で停止していた拠点のうち,埼玉県久喜市で実装機器などを生産していたソニーマニュファクチュアリングシステムズなど4拠点で生産を再開(一部再開や断続的な再開を含む)する一方,新たに5拠点で必要な原材料や部品などの調達状況に合わせた一時的な生産停止(一部停止を含む)を予定すると言う。7拠点が生産を停止したままである(Tech-On!関連記事)。

生産を再開(3拠点,一部再開を含む)

 以下の拠点では,自主停電や点検などのために生産を停止中していたが,その後に生産を再開した(一部再開を含む)。

・ソニーマニュファクチュアリングシステムズ(埼玉県久喜市,実装機器などを生産):3月15日に再開
・ソニーケミカル&インフォメーションデバイス 鹿沼事業所(栃木県鹿沼市,接合材料や光学材料などを生産):3月15日から一部再開
・ソニーエナジー・デバイス 栃木事業所(栃木県下野市,リチウムイオン2次電池などを生産):3月22日から一部再開

断続的に生産を再開(1拠点)

 以下の拠点では,計画停電などの影響により一時的に生産を停止したが,3月22日より断続的に生産を再開する。ただし,今後も計画停電などが実施された場合には一時的に生産を停止する可能性がある。

・ソニーイーエムシーエス 木更津テック(千葉県木更津市,ブルーレイディスクレコーダーやホームオーディオなどを生産)

原材料や部品などの調達状況に合わせて生産(5拠点)

 以下の拠点は,地震などによる直接の被害は受けていない。しかし,必要な原材料や部品などの調達状況に合わせて,3月22~31日に一時的な生産停止を予定している(一部停止を含む)。原材料や部品などの調達ができ次第,順次生産を再開していく。

・ソニーイーエムシーエス 東海テック 湖西サイト(静岡県湖西市,各種放送用や業務用機器などを生産)
・ソニーイーエムシーエス 東海テック 幸田サイト(愛知県額田郡,ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどを生産)
・ソニーイーエムシーエス 東海テック 美濃加茂サイト(岐阜県美濃加茂市,デジタル一眼レフカメラ用レンズや携帯電話などを生産)
・ソニーイーエムシーエス 東海テック 稲沢サイト(愛知県稲沢市,液晶テレビなどを生産)
・ソニー・太陽(大分県速見郡,マイクロホンやヘッドホンなどを生産)

生産停止中の拠点(7拠点)

 以下の拠点では,地震や津波,自主停電などによって生産を停止している。建物および製造設備の点検,修復,整備,調整など,復旧に向けた活動を進めているという。

・ソニーケミカル&インフォメーションデバイス 多賀城事業所(宮城県多賀城市,磁気テープやブルーレイディスクなどを生産)
・ソニーケミカル&インフォメーションデバイス 登米事業所 なかだサイト(宮城県登米市,光学部品やICカードなどを生産)
・ソニーケミカル&インフォメーションデバイス 登米事業所 豊里サイト(宮城県登米市,光学部品やICカードなどを生産)
・ソニー白石セミコンダクタ(宮城県白石市,半導体レーザを生産)
・ソニーエナジー・デバイス 郡山事業所(福島県郡山市,リチウムイオン2次電池などを生産)
・ソニーエナジー・デバイス 本宮事業所(福島県本宮市,リチウムイオン2次電池などを生産)
・ソニーDADCジャパン 茨城工場(茨城県那珂市,CDやDVDなどを生産)

 ソニーによれば,これらの拠点で生産されている製品の供給について,以下のような対策を進めていくと言う。まず,当面は完成品在庫などによって可能な限り供給を確保する。次に,各拠点の生産回復に努力するとともに,必要な原材料や部品などの不足が続けば,海外製造事業所への一時的な生産移管などを適宜検討していく。また上記以外の国内製造拠点については,現時点では通常の生産活動を実施していることを確認しているが,引き続き原材料や部品などの調達状況を注視していくとした(発表資料)。