米調査会社のIHS iSuppliは米国時間2011年3月17日、米Appleの新型タブレット端末「iPad 2」が部品不足に見舞われる恐れがあると報告した。現時点でiPad 2には少なくとも五つの電子部品が日本のサプライヤーから供給されていることが分かったとしている。

 同社によれば、iPad 2に使われてるNAND型フラッシュメモリーは東芝製、DRAMはエルピーダメモリ製、電子コンパスは旭化成エレクトロニクス製。またタッチスクリーンオーバーレイガラスはおそらく旭硝子から、システムバッテリーはアップルジャパンから供給されていると報告している。このほかにも日本メーカーの部品が使われている可能性があるが、同社のアナリストは現時点で特定できていない。

 これら部品メーカーの一部は生産施設への被害はないと報告しているが、被災地域を中心に物流網が寸断されていることから、少なくともある一定の影響を受けることになるとIHS iSuppliは指摘。また部品メーカーは原材料の確保、完成品の出荷などで困難な問題に直面すると考えている。このほか半導体の製造には安定した電力供給が不可欠なことから、メーカー各社には大きな影響が及ぶとしている。

 Appleは、3月11日に米国でiPad 2の販売を始めた。これに続き、日本を含む26カ国で3月25日に発売するとしているが、先ごろ日本での発売は延期されると複数の海外メディアが報じた。

 iPad 2の米国での販売は好調のようで、米Wall Street Journalは3月17日付の電子版で、最初の週末で50万~100万台を売り上げたと伝えている。同紙によると、Appleの動向に詳しい米Piper JaffrayのアナリストGene Munster氏は「Appleは一時的に部品不足の問題に直面するが、消費者需要への影響はないだろう」と話している。

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