「iPad 2」と別売のカバー製品「Smart Cover」(写真:Apple社)
「iPad 2」と別売のカバー製品「Smart Cover」(写真:Apple社)
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 新しいタブレット端末が続々と市場に登場する中,米Apple Inc.は「iPad」の新機種となる「iPad 2」を公開した(発表資料)。iPad 2は,2個のコアを搭載した新型マイクロプロセサ「A5」を搭載している。動作周波数は1GHz。ジャイロスコープや前画面の画像センサも搭載している。こうした機能を加えながら、新型iPadの厚さは8.8mm,無線LANのみに対応したバージョンであれば重さは601gと,前機種(厚さ13.4mm,重さ680g)と比較して薄型化,小型化を実現している。

 Appleは、2010年1月にiPadの初代機種を発表した時に,他社もこの市場に参入すると予測していたのだろう。公開した動画資料において,同社Industrial Design,Senior Vice PresidentのJonathan Ive氏は「新しいカテゴリの製品ながら,こんなにも短期間に再設計したことは今までに覚えがない」と言う。

従来製品と価格やデータ容量は同じ

 新型のマイクロプロセサA5は,初代のiPadに搭載した「A4」と比較して処理速度が2倍早いとApple社は主張する。画像処理の速度も9倍速い。iPad 2と同時に発表されたOS「iOS 4.3」(発表資料)は,デュアル・コアのマイクロプロセサ上で動作するために最適化された。またAppleによれば,iPad 2は初代のiPadと同様に,10時間まで動作する電池容量を持つという。

 iPad 2において8.8mmの深さを実現するため,ディスプレイを3層型から2層型にした。ただし,減らした層に関する詳細は,具体的には公開していない。iPad 2と共に,iPadをスタンド型に替えられる別売のカーバ製品も発表した。

 iPad 2は,米国市場においては2011年3月11日から出荷を開始する。無線LANのみのバージョンの価格は,16Gバイトのフラッシュ・メモリを搭載したものが499米ドル,32Gバイト品が599米ドル,64Gバイト品が699米ドル。無線LANと3Gに対応したバージョンは,16Gバイト品が629米ドル,32Gバイト品が729米ドル,64Gバイト品が829米ドル。価格設定とデータ容量は初代のiPadと同じである。米国以外の日本を含む26カ国では2011年3月25日から発売する。