図1 メイン基板(裏側)。右下にあるのが東芝製のチップ
図1 メイン基板(裏側)。右下にあるのが東芝製のチップ
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図2 東芝製のNANDフラッシュ・メモリの拡大図
図2 東芝製のNANDフラッシュ・メモリの拡大図
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図3 メイン基板(表側)。右下にあるのがTI社のチップ
図3 メイン基板(表側)。右下にあるのがTI社のチップ
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図4 ゲーム用スロットの裏側には無数の受動部品
図4 ゲーム用スロットの裏側には無数の受動部品
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図5 はんだごてを用いて,スロットをはずす
図5 はんだごてを用いて,スロットをはずす
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図6 スロットの下には二つのチップが隠れてあった
図6 スロットの下には二つのチップが隠れてあった
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図7 右が「Nintendo」の刻印があるメインCPU。左は富士通セミコンダクターせいのFCRAM
図7 右が「Nintendo」の刻印があるメインCPU。左は富士通セミコンダクターせいのFCRAM
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 「ニンテンドー3DS」の筐体下側の分解に成功した日経エレクトロニクス分解班(分解その3)。筐体からメイン基板を取り出し,詳細に観察してみることにした。

 まずは,「MITSUMI」の刻印が入った無線LANモジュールやSDメモリーカード用スロットを取り外してメイン基板全体を見てみる。メイン基板(裏側)では,右下にある「TOSHIBA」「THGBM2G3PIFBAI8」(1かIかは不明)と刻印されたチップが目立つ。型番から推測すると,NANDフラッシュ・メモリとみられる。システム格納のものとみられる。

 一方,逆側の基板(表側)は,ほとんど部品が実装されていない。唯一,米Texas Instruments社の「PAIC30108」とその周辺回路があるくらいだ。裏側部分にはLiイオン2次電池の接続端子があることから考えると,電源ICである可能性が高そうだ。

 メイン基板の表裏をひと通り観察し終えたところで,重要なことに気付く。メインCPUが見当たらない。考えられる可能性はただ一つ。ゲーム用スロットの下しかない。その裏側部分には多数の受動部品が実装されている。

 分解班は,頑丈に固定されているゲーム用スロットを,はんだごてなどを用いてなんとか取り外す。すると,「Nintendo」「ARM」と刻印された3DSのメインCPUが顔を出した。隣のチップには,「F JAPAN」「M82M808080」の刻印がある。おそらく,富士通セミコンダクター製のFCRAMだろう。

 メインのCPUを見つけ出し,ほっと一息つく分解班。いよいよ“本丸”といえる裸眼3D表示対応の液晶パネル・モジュールを格納する筐体上部を分解していく。なお,筐体下部にあるタッチ・パネル付き液晶パネル・モジュールは,裸眼3D表示対応の液晶パネル・モジュールと共に後ほど分解するため,しばらくお待ちいただきたい。

――その5に続く――