「ニンテンドー3DS」の筐体下側の分解に成功した日経エレクトロニクス分解班(分解その3)。筐体からメイン基板を取り出し,詳細に観察してみることにした。
まずは,「MITSUMI」の刻印が入った無線LANモジュールやSDメモリーカード用スロットを取り外してメイン基板全体を見てみる。メイン基板(裏側)では,右下にある「TOSHIBA」「THGBM2G3PIFBAI8」(1かIかは不明)と刻印されたチップが目立つ。型番から推測すると,NANDフラッシュ・メモリとみられる。システム格納のものとみられる。
一方,逆側の基板(表側)は,ほとんど部品が実装されていない。唯一,米Texas Instruments社の「PAIC30108」とその周辺回路があるくらいだ。裏側部分にはLiイオン2次電池の接続端子があることから考えると,電源ICである可能性が高そうだ。
メイン基板の表裏をひと通り観察し終えたところで,重要なことに気付く。メインCPUが見当たらない。考えられる可能性はただ一つ。ゲーム用スロットの下しかない。その裏側部分には多数の受動部品が実装されている。
分解班は,頑丈に固定されているゲーム用スロットを,はんだごてなどを用いてなんとか取り外す。すると,「Nintendo」「ARM」と刻印された3DSのメインCPUが顔を出した。隣のチップには,「F JAPAN」「M82M808080」の刻印がある。おそらく,富士通セミコンダクター製のFCRAMだろう。
メインのCPUを見つけ出し,ほっと一息つく分解班。いよいよ“本丸”といえる裸眼3D表示対応の液晶パネル・モジュールを格納する筐体上部を分解していく。なお,筐体下部にあるタッチ・パネル付き液晶パネル・モジュールは,裸眼3D表示対応の液晶パネル・モジュールと共に後ほど分解するため,しばらくお待ちいただきたい。
――その5に続く――