図1 発表会に登壇した,角川グループホールディングス 取締役会長の角川歴彦氏(左)と,代表取締役社長の田中良和氏(右)
図1 発表会に登壇した,角川グループホールディングス 取締役会長の角川歴彦氏(左)と,代表取締役社長の田中良和氏(右)
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図2 ソーシャル電子書籍の概要
図2 ソーシャル電子書籍の概要
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図3 角川グループが提供するソーシャル・アプリ
図3 角川グループが提供するソーシャル・アプリ
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図4 共同プロモーションの概要
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 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の大手運営企業であるグリーは,角川グループホールディングスとコンテンツ事業で業務提携した(図1)(発表資料)。角川グループの持つ雑誌・書籍・映画・アニメ・コミック・ゲームなどのコンテンツと,グリーの持つSNSやその2383万人(2010年12月末時点)の会員基盤を相互に活用することを目的とする。

 今回明らかにした提携内容は大きく三つある。第1に,角川グループの電子書籍プラットフォーム「BOOK☆WALKER」で提供する電子書籍すべて(2011年春ごろで約4000冊の予定)と,グリーのSNSを活用した「ソーシャル電子書籍アプリ」を,グリーの「GREE Platform」上で提供する(図2)。ソーシャル電子書籍では,ユーザー自身が購入した書籍を友人と紹介しあう,ユーザー自身の購買履歴や書評を友人と共有する,友人の欲している電子書籍を購買してプレゼントする,といった使い方を想定する。将来的には,複数の友人と書籍を読み進める,複数のユーザーの選択によってストーリーが変わるなど,既存の紙の書籍では表現できない「ソーシャルリーディング」を前提とした,新たなコンテンツの開発も共同で行うとする。ソーシャル電子書籍アプリは,2011年夏ごろの提供開始を目標とする。

 第2に,角川グループの映画やアニメーションといったコンテンツを利用したソーシャル・アプリを,GREE Platformで提供する(図3)。第1弾として,現在アニメ放映中のライトノベル「GOSICK」のソーシャル・アプリを近日中に提供する予定。このほか,「涼宮ハルヒの憂鬱」や「源氏物語」,「ぺらぶ! a cappella love!?」のソーシャル・アプリを提供するという。このほかのアプリも,順次提供予定とする。

 第3に,角川グループとグリーとで共同プロモーションを展開する(図4)。例えば,書籍の「オビ」や販促物に2次元コードを記載し,そのコードを通じてアクセスすることで,ソーシャル・アプリの限定アイテムを提供する。まずは,GOSICKのソーシャル・アプリにおいて,BOOK☆WALKER上でGOSICKの原作書籍を購入すると,限定アイテムがもらえるキャンペーンを2011年3月中旬より開始する。また,今冬公開予定の角川映画「源氏物語」や原作の書籍,そして「源氏物語」のソーシャル・アプリを連携させたプロモーションを共同で展開する予定だ。