米Microsoft Corp.は,コントローラ不要のジェスチャー入力コントローラ「Kinect for Xbox 360」を利用し,Windows向けアプリケーションの開発を可能にするSDKを2011年春に提供する(ニュース・リリース)。Kinectは据置型ゲーム機「Xbox 360」に向けて2010年11月に発売されて以来,約2カ月間で800万台を出荷したヒット商品である(Kinectの分解記事リンク集日経エレクトロニクス関連記事)。既に一部のユーザーがパソコン向けのドライバを公開しており,パソコンでKinectを利用するデモが続々と登場し,動画共有サイトなどに公開されている(日経エレクトロニクス関連ブログ)。

 Kinectの距離画像センサの開発元であるイスラエルのベンチャー企業PrimeSense社も,ドライバやユーザーの姿勢検知に利用するライブラリなどの無償公開を始めている。PrimeSense社らは開発者組織「OpenNI」も立ち上げ,その支援に乗り出している。

 Kinectのヒットにより,PrimeSense社の距離画像センサを利用した製品や関連デモが増えた。例えば,台湾ASUSTeK Computer, Inc.は,PrimeSense社と共同で,主にパソコンでの利用を想定したジェスチャー入力装置を開発した(Tech-On!関連記事1同2)。また,中国企業はテレビでの利用を想定した実演を2011年のCESで披露している(同3)。

 距離画像センサの利用ケースだけでなく,安価な距離画像センサの開発も増えつつある。例えばベルギーのOptrima社は,民生機器用途に向けた安価な距離画像センサを2011年第1四半期に製品化する予定である(Tech-On!関連記事4)。

 Windows用のKinect向けSDKをMicrosoft社自身が提供することで,こうした流れがさらに加速しそうだ。