図1 モデム用チップセット3品種を発表した(写真左下)。アプリケーション・プロセサ統合型チップセット「Snapdragon」の新製品の計画も明らかにした
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図2 3GPPのリリース9(Dual-Carrier HSPA+)で追加されたキャリア・アグリゲーション技術の効果を検証するシミュレーションの様子
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図3 HSPAの進化と3GPPのリリースの関係
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 米Qualcomm Inc.は「Mobile World Congress 2011」(2011年2月14~17日)において,2011年後半にサンプル出荷を開始するモデム用チップセット3品種を発表した。LTEの端末カテゴリ4(下り最大150Mビット/秒)に対応する「MDM9625」および「MDM9225」,3GPPのリリース9で規定された「Dual-Carrier HSPA+」(下り最大84Mビット/秒)に対応する「MDM8225」である。3品種とも,28nm世代のプロセス技術で製造する。

 MDM9625およびMDM9225が対応するLTEの端末カテゴリ4とは,20MHz幅で運用した際に最大データ伝送速度として下り150Mビット/秒,上り50Mビット/秒を実現するものである。これまでQualcomm社は,端末カテゴリ3(20MHz幅運用時に下り最大100Mビット/秒)に対応する品種を提供してきた。

 両品種とも,LTEのFDD(周波数分割多重)モードとTDD(時分割多重)モードの両方をサポートする。MDM9625はLTEのほか,Dual-Carrier HSPA+,EV-DO Rev.B,EV-DO Advanced,TD-SCDMAに対応する。MDM9225はLTEのほか,Dual-Carrier HSPA+とTD-SCDMAに対応する。どちらも,Qualcomm社のRF IC「WTR1605」,電力管理IC「PM8018」と組み合わせて利用できる。

 MDM8225が対応するDual-Carrier HSPA+は,リリース8で規定されたDC-HSPAに,2×2のMIMOを組み合わせるものである。今回発表した3品種は,このDual-Carrier HSPA+に対応したほか,下り回線用に補助的な周波数帯域を用いるキャリア・アグリゲーション技術もサポートする。