ソフトバンクの代表取締役社長 兼 CEOの孫正義氏は2011年2月14日,スペイン・バルセロナで開催された「LTE TDD/FDD International Summit 2011」の開会式に登壇し,2011年中に次世代XGPサービスを開始することを公表した。開始する次世代XGPのサービスはTD-LTEのハードウエアなどをそのまま利用できる「100%TD-LTEと互換性のあるもの」だという。

 登壇した孫氏は,日本においてソフトバンク・グループ(2010年に取得したウィルコムを指す)は15年以上にわたりTDD方式のPHSの実績を持つことを強調し,「この経験をTD-LTEに対して提供することで,TD-LTEの発展に貢献していく」と宣言した。「LTEにはFDD方式もあるが,世界人口の3分の2を抱えるアジアで普及が見込まれるTD-LTEの方がFDD LTEよりも端末や基地局機器の出荷数が見込めるため,ソフトバンクにとってはTD-LTEがFDD LTEよりも重要」とした。

 TD-LTEは中国で2012年に商用化され,インドでもほぼ同時期に商用サービスが開始される見込みだ。孫氏の発言からみる限り,ソフトバンクは実質的にTD-LTEと同じ技術で高度化XGPを展開するとみられるが,どの程度TD-LTEと技術的な差異があるかは不明である。