図1 「Xperia PLAY」の筐体をスライドさせた状態
図1 「Xperia PLAY」の筐体をスライドさせた状態
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図2 ゲーム用の入力ボタンを備える
図2 ゲーム用の入力ボタンを備える
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図3 筐体をスライドさせない状態では通常のAndroidスマートフォンと同様に利用できる
図3 筐体をスライドさせない状態では通常のAndroidスマートフォンと同様に利用できる
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図4 十字ボタン付近
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図5 「○」「×」「△」「□」ボタン付近
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 日スウェーデン合弁のSony Ericsson Mobile Communications社は,ゲーム用の入力ボタンを備えたスマートフォン「Xperia PLAY」を正式に発表し,実機を公開した(英文の発表資料)。「Mobile World Congress 2011」(2011年2月14~17日,スペイン・バルセロナ)の開幕前日に開催したプレス・カンファレンスで発表したもの。まずVerizon Wireless社が2011年3月に米国で発売する。

 Xperia PLAYはスライド型の筐体を採用したスマートフォンで,ソフトウエア・プラットフォームとしてAndroid 2.3を用いた。ゲーム用途に向けた十字キー,アナログ入力パッド,6個の入力ボタンを備えたのが特徴で,ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が開始した認証プログラム「PlayStation Certified」で認証された最初の端末となった。これにより,SCEのAndroid端末向けゲーム提供サービス「PlayStation Suite」(Tech-On!の関連記事)のゲームを快適に遊べるとする。

ゲームはAndroidアプリとして提供

 「これまでの約10年間のSony Ericssonでの仕事で,最も光栄な瞬間だ」――。Xperia PLAYの発表役を務めたSony Ericsson社 Executive Vice President and Chief Creation Officerの坂口立考氏は,何年も議論してきた端末の完成を,このように喜んだ。「まずは機能やサイズなどの面で,同じAndroid 2.3を採用したスマートフォンと変わらずに使えること。その上でゲームも楽しめる端末を実現できるのが,このタイミングだった」(坂口氏)とする。プレス・カンファレンスにはソニー 執行役 EVPでSCE 代表取締役社長 兼 グループCEOの平井一夫氏も登壇し,PlayStation Suiteに適した端末の登場を歓迎した。

 Xperia PLAYの主なハードウエア仕様は次の通り。外形寸法は119mm×62mm×16mmで,重さは175g。ディスプレイは4型で480×854画素の液晶パネルで,静電容量式のタッチ・パネル機能を備える。筐体をスライドさせない状態では,通常のタッチ式のAndroidスマートフォンと同様に使える。ユーザー用の記録領域として,400Mバイトの内蔵メモリと,microSDメモリーカード(8Gバイト版が付属する)を利用できる。プロセサはQualcomm社の1GHz動作品である。W-CDMA版とCDMA2000版がある。

 ゲームは,AndroidのJava実行環境「Dalvik」で動作するAndroid用アプリとして配布する。ゲームの流通チャネルは限定しない方針だ。SCEの「PlayStation Network」や米Google Inc.の「Android Market」,携帯電話事業者の独自アプリ・ストアなどをゲームの開発元に選んでもらうことになるという。

「操作性で差が出る」

 Google社が2010年12月に発表したAndroid 2.3は,新たにゲーム用の入力ボタンをサポートした。この機能拡張には,Sony Ericsson社やSCEの貢献があったという。今後,同様の入力インタフェースを備えたAndroidスマートフォンが他社から登場することも考えられるが,「ゲームをスマートフォンに持ち込むために,誰かがやらなければならなかったこと。スマートフォンのようなオープンな世界には,『自分たちだけができる』というものが存在しにくいことはもちろん承知している。現時点では(入力ボタンの反応などの)操作性に差が出るだろうし,追いつかれるころにはまた新しいものを作ればいい」(坂口氏)とする。

 Xperia PLAYの発売に合わせて,Electronic Arts社やバンダイナムコゲームス,SCEなど10社以上のゲーム開発企業がゲーム・タイトルを準備する計画である。