特許プール管理会社のMPEG LA, LLCは,動画コーデック「VP8」の特許プールの形成を目的として,必須特許の募集を開始した(PDF形式の英文発表資料)。最初の応募手続きを2011年3月18日まで受け付ける。

 VP8は,米Google Inc.が2010年5月に「ライセンス・フリー」をうたって公開した動画フォーマット「WebM」に使われる動画コーデックである。元はGoogle社が2010年2月に買収を完了した米On2 Technologies, Inc.がVP8を開発していた。Google社が組織したオープンソース・プロジェクトであるWebM Projectが,VP8の仕様を「VP8 Data Format and Decoding Guide」として公開している(WebM関連の仕様のページ)。VP8と他の動画コーデックとの類似性を指摘する声が上がるなど,WebMをライセンス・フリーといえるかどうかが注目されていた。

 MPEG LAは今回の必須特許募集について,「VP8の仕様に必須の特許を持っていると考えるパーティーは,MPEG LAの特許評価者による必須特許判定に応募できる。必須特許と認められれば,共同のVP8特許ライセンスの形成に参加し,ライセンス条件の決定に関与できる」と説明している。MPEG LAのCEOであるLarry Horn氏は2011年1月に,本誌の取材に対して「VP8の特許プール形成を検討しているのは事実」とコメントしていた。