HP社が今後投入予定のwebOS対応製品郡のイメージ。人物はHP社,Personal Systems Group, Executive Vice PresidentのTodd Bradley氏
HP社が今後投入予定のwebOS対応製品郡のイメージ。人物はHP社,Personal Systems Group, Executive Vice PresidentのTodd Bradley氏
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スマートフォン「Pre<sup>3</sup>」(左)とタブレット端末「TouchPad」(右)
スマートフォン「Pre<sup>3</sup>」(左)とタブレット端末「TouchPad」(右)
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TouchPadの仕様と,HP社,Senior Vice President and GMのJon Rubenstein氏
TouchPadの仕様と,HP社,Senior Vice President and GMのJon Rubenstein氏
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TouchPad氏の仕様
TouchPad氏の仕様
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Pre&lt;sup&gt;3&lt;/sup&gt;の仕様
Pre<sup>3</sup>の仕様
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小型スマートフォン「Veer」
小型スマートフォン「Veer」
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Veerの横
Veerの横
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Veerの仕様
Veerの仕様
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 米Hewlett-Packard Co.(HP社)は,webOS対応のタブレット端末およびスマートフォンを,米サンフランシスコで開催したイベントで公開した(Tech-On!関連記事)。HP社は,2010年4月にwebOSの開発を進める米Palm, Inc.の買収を発表している。今回のイベントでHP社は,Palm社の買収以来始めて,webOSへの取り組み内容を公の場で披露した格好である。

 今回のイベントでは,HP社がタブレット端末やスマートフォンだけでなく,将来的にはプリンターやパソコンにまで,WebOSを利用していくという方向性が明らかになった。米Gartner, Inc.の調査によれば,HP社は世界のパソコン市場の17.9%(2010年)のシェアを保有し,第一位の座を確保している。HP社は,今後パソコンにまでWebOSの適用範囲を広げることで,結果的にサード・ベンダーによるソフトウエア開発が促進されることに期待しているという。「我々は,WebOSによって,世界でインターネット接続されている機器の数が最も多い“環境”を実現したいと考えている」(HP社,Application and Services,Senior Vice PresidentのSteven McArthur氏)。webOS対応のパソコン製品は,「2011年中」(HP社)に出荷される予定。今回,HP社がwebOS対応パソコンの製品化予定を表明したことで,現在HP製パソコンで数多く利用されているWindows OSの製造元の米Microsoft Corp.の反応に,米メディアの注目が集まっている。
 

スマートフォンを近くに置くだけでURLを転送

 HP社のwebOS利用のタブレット端末は,「HP TouchPad」と呼ばれる(発表資料)。同タブレット端末は,webOSの最新バージョンである「2.1」に対応する。9.7型タッチ・スクリーンを搭載するTouchPadは,「Flash」のバージョン10.1ベータにも対応した。さらに,「touch to share」と呼ぶ機能を盛り込んだ。これは,webOS対応のスマートフォンをTouchPadの近くに置くと,タブレット端末が表示しているWebサイトのURLをスマートフォン側に自動転送するものである。TouchPadは2011年夏ごろで米国市場で出荷開始される予定。価格は未定である。
 

ビジネスマン向けのスマートフォン

 新しいwebOS対応の「HP Pre3」は,3.58型タッチ・スクリーン搭載のスマートフォンである(発表資料)。企業向けIT機器の市場に強みを持つHP社は,このスマートフォンを特にビジネスパーソン用途に向けるという。例えばPre3では,保存されたデータを暗号化する機能がある。このほかPre3は,非接触充電台「Touchstone」に対応する。webOS 2.1で,HP社は「webOS Exhibition」と呼ぶ新機能を盛り込んでいる。この機能では,Pre3などwebOS対応のスマートフォンを充電台に置いている最中,ユーザーの操作無しで,カレンダー情報や写真などのデータを表示できる。Pre3も2011年夏ごろに,米国市場で出荷開始される予定である。価格は未定である。

小型スマートフォン「HP Veer」

 米国のスマートフォン市場では,タッチ・スクリーンの操作を容易にするため,比較的大きめのディスプレイを搭載する傾向がある。HP社は,消費者向けにはより小型のスマートフォンのニーズもあると見ている。今回のイベントでは,2.57型ディスプレイを搭載したスマートフォン「HP Veer」を公開した(発表資料)。Veerの重さは103gである。Veerは2011年春ごろに米国市場で発売される予定。こちらも価格は未定である。

 今回公開されたwebOS対応のタブレット端末やスマートフォンは全て,米Qualcomm Inc.の携帯電話機向けチップセット「Snapdragon」を利用している。今回のイベントでは,Qualcomm社,Chairman兼CEOのPaul Jacobs氏が登場して,Qualcomm社とHP社が,webOSをSnapdragon上で動作するための最適化作業で協力したことを表明した。