米IEEE802.11WGにおいて,無線LANのセキュリティー認証プロセスを大幅に高速化する仕様づくりを目指すグループ「IEEE802.11ai」(Fast Initial Link Setup)が,2011年1月から仕様策定作業を本格的に開始した。

 11aiは,無線LANを利用する際に,機器間のセキュリティー認証にかかる時間を1/10程度まで短縮する仕様作りを目指すグループ。無線LAN対応のモバイル機器などの,使い勝手向上を目指している。無線ネットワーク関連事業を手掛けるルートや,トランス・ニュー・テクノロジー,米Marvell Technology社などが共同で設立提案したグループである(Tech-On!の関連記事)。2010年12月に,正式な仕様作りを行うタスク・グループ(TG)に昇格していた。2011年1月のIEEE802会合から,具体的な議論が始まった格好である。11aiの議長には,ルート代表取締役の真野 浩氏が就いた。

 さらに,ルートの真野氏らは,11aiの標準化作業への提案を促進する狙いから,2011年2月にも業界団体を立ち上げる。名称は「Wi-Fils推進協議会(Wi-Fils Association)」。無線LANに関わる事業や研究を進める企業/研究機関などが参加する予定。当面は入会金や会費は無料という。同協議会では,11aiへの提案活動を進めるほか,Wi-Fi Allianceへの提案や,標準化方式の実装方法の技術供与なども行う。Wi-Fils推進協議会は,2011年2月中旬に都内で設立総会を開催する予定である。