専用コントローラを使わずに,体の動きだけで操作できるジェスチャー入力技術に注目が集まっている。この状況に火を付けたのが,2010年11月に登場した米Microsoft社の「Kinect for Xbox 360」である。同社のCESブースでも多数の試遊コーナーが置かれており,発売後だというにも関わらず,多くの参加者が詰めかけていた。
こうした流れを受けて,CESの会場ではコントローラを利用しないジェスチャー入力技術のデモが相次いでいる。その中で存在感を示しているのが,KinectのベースになったイスラエルPrimeSense社の距離画像センサだ(Tech-On!関連記事)。特に中国の大手メーカーが同社の距離画像センサを用いた実演を披露している。Hisense社やHaier社,TCL社である。いずれもパソコンとPrimeSense社の距離画像センサを接続して動作させ,そのパソコンから映像信号をテレビに出力し,表示させている。
ただし中国の各社は,Microsoft社のようにPrimeSenseの距離画像センサをベースに改良を加えたり,ユーザー・インタフェース(UI)を作り込んだりした形跡はほとんどなかった。ハードウエア面でもソフトウエア面でも,PrimeSense社が提供する参照デザインをほぼそのまま流用したようにみえる。