ソニーの3Dヘッドマウント型ディスプレイ
ソニーの3Dヘッドマウント型ディスプレイ
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3Dヘッドマウント型ディスプレイのデモ
3Dヘッドマウント型ディスプレイのデモ
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 ヘッドマウント型のディスプレイは,これまで成功したためしがない。デジタル家電の雄であるソニーがかつて「グラストロン」を製品化したが,失敗に終わった。カメラ・メーカーもヘッドマウント型ディスプレイを手掛けたが,あまり話題にはならなかった。「なぜなら画質が問題だったから」と筆者は考える。しかし,今回ソニーが開発し,「2011 International CES」(2011年1月6~9日,米国ラスベガス)に展示した「3Dヘッドマウント型ディスプレイ」には感動した。これまでとは全く違う映像だったからだ。

 まず,画質がとても良い。これは,コントラストに優れた有機ELパネルの搭載が効いた。解像度は発表されていないが,720p程度と思われる。高コントラストの有機ELならではの非常にしっかりとした映像だ。

 画像には,立体感が適度についている。さらに素晴らしいのは,空間感が非常に豊潤なことだ。ちょうど500人程度の劇場の一番後ろに座って3Dスクリーンを見ているような感覚で,とても快適だった。

 課題は重量である。かなり重たいので,軽くすることが必要だ。体感も欲しい。目と耳で感じるだけで,体で感じる感覚がない。音と絵の体感をどうやって実現するかに努めてほしい。すごく期待している。