パターンド・リターダー方式(Cinema 3D)の利点(1)。写真はLG Electronicsの報道資料
パターンド・リターダー方式(Cinema 3D)の利点(1)。写真はLG Electronicsの報道資料
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パターンド・リターダー方式(Cinema 3D)の利点(2)。写真はLG Electronicsの報道資料
パターンド・リターダー方式(Cinema 3D)の利点(2)。写真はLG Electronicsの報道資料
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パターンド・リターダー方式(Cinema 3D)と液晶シャッタ・メガネ方式の比較。写真はLG Electronicsの報道資料
パターンド・リターダー方式(Cinema 3D)と液晶シャッタ・メガネ方式の比較。写真はLG Electronicsの報道資料
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 「2011 International CES」(2011年1月6~9日,米国ラスベガス)の開幕前日は,世界的なデジタル家電メーカーが相次いで記者会見を開催するいわゆる「プレスデイ」だ。冒頭の韓国LG Electronics Inc.の記者会見で注目されたのが,「Cinema 3D」と名付けた3D(3次元)テレビである。「パターンド・リターダー」(走査線1ラインごとに光線の方向を変える偏光フィルム)を使用した3Dテレビだ。いわゆる「Xpol」(円偏光フィルタ)と同じアプローチである。

 これまでの液晶シャッタ・メガネ方式に比べて,メガネが軽くて安い,表示として明るい,視野角が広い,フリッカ(ちらつき)がない,クロストークが少ない,などの利点があるという。しかし,垂直方向の解像度が落ちるという課題もある。どのような画質なのか,開幕後の展示ブースでのチェックが楽しみだ。

 2010年の「3Dテレビ元年」は,各社が液晶シャッタ・メガネ方式によって3Dテレビをデビューさせた。しかし,2011年は状況に変化が見える。東芝は裸眼3Dに賭ける。LG Electronics社は偏光フィルム方式に向かい,5日午後(現地時間)に記者会見を開いた韓国Samsung Electronics Co., Ltd.は「アクティブ・リターダー方式」(米RealD社のRDZ方式)を採用する。大げさに言うと「1社1方式」に分裂する方向が確実に読み取れる。