Tektronixが主力のミッドレンジ・オシロスコープで新製品,「この価格帯では最多の機能」
米Tektronix, Inc.は,ミッドレンジ・オシロスコープの新製品として「MSO/DPO5000シリーズ」と「MSO/DPO4000Bシリーズ」を発売した(日本語版ニュース・リリース1)。同社はオシロスコープの最大手メーカーで,その中でもミッドレンジが主力製品である。オシロスコープ売上高の2/3をミッドレッジ製品が占めるという。
今回の新製品を扱う部門の責任者であるRoy Siegel氏(General Manager, Midrange Scopes Product Line)が来日し,国内報道機関向けの説明会を開いた(図1)。同氏によれば,今回の製品は,同社のハイエンド製品の機能や性能に迫りながら,従来のミッドレンジ製品と同等の価格に据え置いた。例えばMSO/DPO5000シリーズは138万円(税抜き,以下同)からで,「この価格帯で同等の機能を備えた製品は存在しない」(同氏)という。
ミッドレンジ・オシロで初めてWindowsベース
MSO/DPO5000シリーズは,同社のミッドレンジ・オシロとしては初めてWindowsをベースに開発した製品である(Windows 7 Ultimate 64ビット版を搭載)。これによって,DPO/DSA/MSO70000Cシリーズ(発表当時のニュース・リリース2)などのハイエンド製品に搭載した多くの解析機能が,MSO/DPO5000シリーズでも提供できるようになった。「オシロスコープでは波形を観察できさえすれば良いという時代は終わっている。各種の解析機能を搭載し,システム・レベルのデバグを支援できる製品を顧客は求めており,それに応えたミッドレンジ・オシロが今回の製品」(同氏)とした。
グリッチ捕捉が可能な「FastAcq」と呼ぶ高速の波形取り込み機能,「FastFram」と呼ぶセグメント・メモリを使った長時間の波形取り込み機能,「DPOJET Essentials」と呼ぶジッタなどを測定する機能などが,MSO/DPO5000シリーズに標準搭載されたハイエンド製品ゆずりの機能である。高速のシグナル・インテグリティ測定・解析などのオプション機能もハイエンド製品がオリジナルとなっている。
一方で,これまでのミッドレンジ製品で評判の良かった仕様はMSO/DPO5000シリーズが引き継いだ。例えば「Wave Inspector」と呼ぶ波形検索機能や,アナログとデジタル信号の双方に対応する「MSO」仕様,奥行206.3mmと小型な筐体を,Siegel氏は挙げた。
MSO/DPO5000シリーズは8機種からなり,周波数帯域は350MHz〜2GHz(機種によって異なる)。入力は最大でアナログが4チャンネルとデジタルが16チャネル。8機種のうち最も安価な製品は,デジタルなしのアナログ4チャネル,350MHz帯域,5Gサンプル/秒の機種で138万円(税抜き)。最も高価な製品が,アナログが4チャンネルとデジタルが16チャネル,2GHz帯域,10Gサンプル/秒の機種で333万円(税抜き)。
日本では評判が良いVESAアーム
もう一つの新製品のMSO/DPO4000Bシリーズは,これまでのミッドレンジ・オシロと同じく(Windowsではなく)リアルタイムOSを搭載した製品である。Wave Inspectorや,複数の解析機能(MSO/DPO5000よりは種類が少ない)を備える。奥行が147mmと薄い筐体である。また重さは5kgと軽い。
MSO/DPO4000Bシリーズは,液晶ディスプレイなどで使われているVESA(Video Electronics Standards Association)規格のアームやスタンドに取り付けて使える。「VESA対応は,米国ではあまり強調されていない仕様だが,日本の顧客に紹介したところ,非常に評判が良かった」(日本テクトロニクス)という。
6機種からなる。最も安価な製品は,デジタルなしのアナログ4チャネル,350MHz帯域,2.5Gサンプル/秒の機種で124万円(税抜き)。最も高価な製品が,アナログが4チャンネルとデジタルが16チャネル,1GHz帯域,5Gサンプル/秒の機種で243万円(税抜き)である。
MSO/DPO5000シリーズ,MSO/DPO4000Bシリーズの全機種に4本の受動電圧プローブが標準で添付される。本体の周波数帯により,1GHz,10:1の「TPP1000」または500MHz,10:1の「TPP0500」のどちら4本になる。なおTPP1000,TPP0500は共に,今回のオシロスコープ向けに新規に開発された。従来製品に比べて負荷容量は1/2で,周波数帯は2倍だという。












