米Sony Electronics社 Deputy President,Digital Reading Business Divisionの野口不二夫氏(右)と,ソニーマーケティング 代表取締役社長の栗田伸樹氏(左)
米Sony Electronics社 Deputy President,Digital Reading Business Divisionの野口不二夫氏(右)と,ソニーマーケティング 代表取締役社長の栗田伸樹氏(左)
[画像のクリックで拡大表示]
1台で約1400冊の書籍が保存できる。写真の背景の書籍は,実際に1400冊あるという
1台で約1400冊の書籍が保存できる。写真の背景の書籍は,実際に1400冊あるという
[画像のクリックで拡大表示]
Reader Touch Edition。電子ペーパーは,E Ink社製。重さは約215g,厚みは約10.3mm。光学式のタッチ・パネルを搭載する
Reader Touch Edition。電子ペーパーは,E Ink社製。重さは約215g,厚みは約10.3mm。光学式のタッチ・パネルを搭載する
[画像のクリックで拡大表示]
Reader Pocket Edition。電子ペーパーは,E Ink社製。重さは約155g,厚みは約9.2mm
Reader Pocket Edition。電子ペーパーは,E Ink社製。重さは約155g,厚みは約9.2mm
[画像のクリックで拡大表示]

 ソニーは,電子書籍端末「Reader」を国内で2010年12月10日に発売する。5型の電子ペーパーを搭載した「Reader Pocket Edition」と,6型の電子ペーパーとタッチ・パネル機能を搭載した「Reader Touch Edition」の2機種を用意する。価格はオープンだが,市場想定価格はそれぞれ2万円前後,2万5000円前後である。

 端末の販売に合わせ,専用の電子書店「Reader Store」を立ち上げ,2010年12月10日に配信サービスを開始する。サービス開始時には,2万冊以上の書籍が購入できるという。

ワイヤレス・モデルは見送り

 今回,国内市場に投入するReaderは,既にソニーが米国などで展開している端末と基本的には同じで,日本語のフォントやビューワなどの対応を図ったものである。販売目標としてソニーは,「発売1年間で30万台」(同社)を掲げた。さらに,「2012年ごろには国内の電子書籍端末(電子ペーパー方式)市場が100万台になる。この50%のシェアを確保していきたい」(同社)とした。

 米国では,無線LANと3G通信機能を搭載する「Reader Daily Edition」もラインアップしている。しかし今回,この通信機能付きのモデルは国内に投入しなかった。「国内で早く事業を開始したいと考え,この2機種(Pocket Edition/Touch Edition)になった。通信機能付きモデルの国内投入も考えてはいるが,どのようなビジネスモデルが成り立つのか,まだ検討している段階」(ソニー)と説明した。

フォーマットはXMDF

 端末には通信機能を備えないため,Reader Storeからの書籍コンテンツの購入は,パソコンを利用する。パソコンにダウンロードしたコンテンツを,端末に転送するという格好である。なお,パソコン用のソフトウエアは,端末へのコンテンツ転送の機能専用であり,ビューワ機能は備えない。つまり,ダウンロードしたコンテンツをパソコンでは読むことができない。この点は,米国とは異なる。

 コンテンツのファイル・フォーマットには,シャープが開発したXMDFを採用した。DRMは「Marlin」を利用しているという。フォーマットについては,「今後,.book(ドットブック)やEPUB3.0への対応も図っていく」(同社)とした。

 サービス開始当初に用意する2万冊の書籍については,「単に数を集めたのではなく,ユーザーが本当に読みたいと思う本,ベストセラーの本を用意した」(ソニー)と説明する。なお,コンテンツの収集については,ソニーがKDDIなど4社で設立した「ブックリスタ」と協力して実施したとする(Tech-On!関連記事)