(前回)
Kinect本体(各種センサを搭載した部分)の筐体を開き,内部構造に目をやる。内部のレイアウトはおおまかにいって,前面側(ユーザーに向ける側)から前段,中段,後段の「3段構造」となっている(図1)。各段はネジやコネクタで接続されており,一種のモジュールとなっている。
前段には赤外レーザや赤外光用のカメラ,そして可視光を検知するカメラといった光学部品を配置している。中段部分には,中型基板と小型基板がそれぞれ一枚,後段には大型基板が一枚配置されている。
前段にある赤外のレーザやカメラ,そして可視光を検知するカメラは,フレキシブル基板を介して,中段部分の中型基板と接続されている。大型基板上に実装されたチップの上には,薄い金属の放熱板が取り付けられている。
Kinect内部の3段構造自体は,一見するとシンプルだが,隙間をぬってさまざまな種類のケーブルをはわせているために,ごちゃついた印象を受ける(図2)。
Kinect本体の両端には通気孔があり,赤外レーザが搭載されている側,つまり前面から見て左側に冷却ファンが搭載されている(図3)。ファンを回し,各段の隙間に空気を流して,冷却効果を高めている。レーザ側にファンが配置されていることから,レーザ素子をより効率よく冷却する狙いがありそうだ。
ファンはゴム・ケースに収納されている。これを見たある技術者は,
「音声認識の妨げにならないように,ファンから発生する音を抑制するためではないか」,とみる。
すぐさまファンを本体から外し,分解を進めていく(図4)。
(続く)