名古屋大学大学院工学研究科准教授の太田裕道氏らは、水の電気分解を利用することによって、安価で資源量も豊富な絶縁体酸化物のチタン酸ストロンチウムの表面を、大きな熱電効果を示す金属に変えることに成功した。熱電材料はエンジンの排熱を利用して発電するハイブリッド自動車などへの応用が期待されている。しかし、一般的な熱電材料はビスマス、アンチモン、鉛、テルルなどの重金属から成る化合物で、地球上における埋蔵量が少ない資源を必要とする上、毒性が強く、耐熱性が低いといった諸問題があるため、応用範囲が限られていた。ちなみに、同研究は科学技術振興機構(JST)の課題解決型基礎研究の一環として、東京工業大学教授の細野秀雄氏、東京大学教授の幾原雄一氏らと共同で実施したものという。
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