図1 本体裏。表面がメッシュ状になっている部分の下に,マイクを搭載しているとみられる。写真の上が,Kinectの前面方向である。つまり,この写真は,前面方向から見て,筐体右裏を撮影したものである。同じようなメッシュ上の箇所が筐体左裏にもある。
図1 本体裏。表面がメッシュ状になっている部分の下に,マイクを搭載しているとみられる。写真の上が,Kinectの前面方向である。つまり,この写真は,前面方向から見て,筐体右裏を撮影したものである。同じようなメッシュ上の箇所が筐体左裏にもある。
[画像のクリックで拡大表示]
図2 曲がったメッシュ部品。
図2 曲がったメッシュ部品。
[画像のクリックで拡大表示]
図3 筐体からメッシュ部品をはがした直後の写真。両面テープがところどころに残っている。
図3 筐体からメッシュ部品をはがした直後の写真。両面テープがところどころに残っている。
[画像のクリックで拡大表示]
図4 テープをきれいにはがすとネジや,マイクに通じる穴が見えた。
図4 テープをきれいにはがすとネジや,マイクに通じる穴が見えた。
[画像のクリックで拡大表示]
前回

 いよいよ,Kinect本体部の分解に取り掛かる。筐体を開くため,ネジが隠れていると思われる箇所を探る。まず目をつけたのが,本体裏にあるマイク搭載部とみられる箇所だ。その表面はメッシュ状になっている(図1)。このメッシュ部分を通じて,ユーザーの声などを伝搬させ,その音をマイクで拾うようだ。

 よく見てみると,このメッシュ状の部分だけ外れそうだ。メッシュ部分の周囲にある隙間にマイナス・ドライバーをねじ込み,技術者が強引にこじ開けようとする。
「むっ,取れないな」
ドライバーを持つ手に力が入る。すると「めきめきめき」という小さな音をさせつつ,メッシュ部品を筐体からはがしていく。
「すごい粘着力だ」
強力な両面テープで下部筐体に取り付けられていたため,メッシュ部品は曲がってしまった(図2)。
「テープは薄いのに強力な粘着力を持っている。特殊なテープかもしれない」と分解に立ち会ったある技術者は推察する。

 メッシュ部品をはがした後,筐体側に残った両面テープを丹念に取り除く(図3)。テープをきれいにはがすと,数個のネジが見えた。予想通りマイクに通じる穴も見える(図4)。両面テープは,マイク部分へ通じる穴のある場所を除き,メッシュ部品のほぼ全面に付けられていた。

 ネジを外し,筐体を開こうと試みる。だが,開かない。まだネジがあるようだ。本体裏面にはられた「Xbox360」というシール下が怪しい。さっそくシールをはがす。
「あるよ,あるある」
こうつぶやきながら,ネジをはずす技術者たち。
これで,筐体を開く筋道が付いた。

続く