「また間違えた」。リモコンを操作するたびに声が上がる。この製品に付属するリモコンは,下側がQWERTYキーボードになっており,左上に矢印ボタン,右上に光学式のポインタ・デバイスが配置されている。矢印ボタンの真ん中にEnterボタンがあり,矢印ボタンで項目を選択してEnterボタンを押すことで,その項目を起動できる。一方,右側の光学式ポインタ・デバイスの上で指をすべらせると,マウス・ポインタのような矢印ポインタを画面上で自由に動かすことができる。ポインタ・デバイスはボタンの形状になっており,このボタンを押し込むことで,矢印ポインタで指した項目が起動する。
この両者の使い分けが難しかった。矢印ポインタで指した項目を起動しようとして,つい左側のEnterボタンを押してしまう。その結果,矢印ポインタで指した項目ではなく,矢印ボタンで選択したフォーカスの項目が起動してしまうのだ。基本的には,映像サービスは左側,Webブラウジングは右側と使い分ける設計思想なのだろう。
リモコンに関しては,ほかにも面白い発見があった。この製品に付属するリモコンはRFリモコンだが,赤外線リモコンにも対応していたのだ。今回は比較用として,ソニーの日本向けの22型テレビを用意した。そのリモコンを使ったところ,Google TVの方も反応してしまったのである。「学習リモコンなどを使えるようにする配慮では」というのが技術者の見立てだ。
今回分解する「NSX-24GT1」の外見は,前面がガラス,背面がなめらかな曲面の樹脂製であり,デザイン性が高い。その一方で,細かい作りこみに対しては,技術者から厳しい意見も出た。1点目は,側面にやや隙間が開いている部分があったこと。2点目は,背面の「SONY」ロゴのシルクスクリーンの品質が悪く,文字の端がギザギザになっていたことである。ただしこれらは,製品全体の問題ではなくこの個体だけの問題である可能性もある。いずれにせよ,ソニーにとっては第1弾の製品であり,今後,完成度を高めていくということだろう。
次回はいよいよ分解である。
(その4に続く)