図1 DC-HSDPAを利用する「ULTRA SPEED」サービスの人口カバー率の計画
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図2 屋外での下りデータ伝送速度の最大値の比較
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図3 ULTRA SPEED対応のUSBスティック型の法人専用端末「SoftBank 004Z」
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図4 ULTRA SPEED対応のモバイル・ルーター型端末「SoftBank 007Z」
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 ソフトバンクモバイルは2010年11月4日,下りのデータ伝送速度が理論上最大42Mビット/秒のデータ通信サービス「ULTRA SPEED」を2011年2月下旬に開始すると発表した(発表資料)。第3世代移動通信システム向けの高速データ通信規格である「DC-HSDPA」を,1.5GHz帯の10MHz幅に導入する。利用料金などの詳細は別途発表する予定。

 DC-HSDPAは,隣接する二つの搬送波を同時に利用することで最大42Mビット/秒のデータ伝送速度を実現する方式。3GPPのリリース8で規格化された。国内ではイー・モバイルが2010年11月19日からDC-HSDPAを使ったデータ通信サービスを開始することを発表している(Tech-On!の関連記事1)。

 ソフトバンクモバイルがDC-HSDPAを導入する1.5GHz帯は,同社が2009年6月に開設計画の認定を受けた周波数帯である(Tech-On!の関連記事2)。2010年7月に公表した「三・九世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画の認定に係る四半期報告書(平成22年4月~6月)」において,同社は一部地域で基地局の開設を始めたことを明らかにしていた(PDF形式の資料)。人口カバー率は,2011年3月時点で約12%,2011年6月時点で約60%の予定である(図1)。

 ソフトバンクモバイルの2010年冬・2011年春モデルの発表会(Tech-On!の関連記事3)において同社 代表取締役社長の孫正義氏は,NTTドコモが2010年末に開始する「LTE(long term evolution)」を使ったサービス「Xi」(Tech-On!の関連記事4)に対するライバル意識を見せた。Xiのデータ伝送速度が屋外で下り最大37.5Mビット/秒であること(図2),人口カバー率が2012年3月時点でも約20%であることなどを挙げ,ULTRA SPEEDがXiよりも優位であると強調した。

 ソフトバンクモバイルはULTRA SPEED対応端末の第一弾として,データ通信端末3機種を発表した。USBスティック型の法人専用端末「SoftBank 004Z」(中国ZTE社製,図3),USBスティック型の個人向け端末「同 005HW」(中国Huawei Technologies社製),モバイル・ルーター型端末「同 007Z」(ZTE社製,図4)である。004Zを2011年2月下旬以降,005HWと007Zを同年3月下旬以降に発売する。004Zの発売に合わせてULTRA SPEEDサービスを開始する計画である。さらに「2011年以降には,ULTRA SPEEDに対応する携帯電話機も投入していく」(同社の孫氏)。