「業界の中で，Google TV（Tech-On!関連記事）はケーブル・テレビの代替ではないか，という勘違いがあるようだ。我々はケーブル・テレビの代替ではなく，Webコンテンツをケーブル・テレビのサービスに追加することを目指している」。2010年11月1日～3日に米ロサンゼルス市で開催された「Streaming Media West」の基調講演で，米Google Inc.，Google TV，Product LeadのRishi Chandra氏が登壇し，Google TVが現行のテレビ・サービスに追加する「もう一つのチャンネル」を目指すものであることを強調した。
この発言は，米大手テレビ・ネットワークなど主流動画コンテンツ供給企業への配慮を込めたものだ。現在Google TVなど，インターネットからのコンテンツをテレビに表示する製品に対しては，大手コンテンツ企業はオンライン動画コンテンツの供給を止めている。Chandra氏の言葉には，大手コンテンツ企業および大手ケーブル・テレビ事業者の「Google TVは敵」という悪いイメージを，払拭したいという気持ちがにじみ出ている。「ケーブル・テレビは，多数のコンテンツを数百万世帯に届けることで大成功している。我々は，現行のテレビ・サービスでは供給されていないような，豊富なWebコンテンツをテレビに表示することに興味を持っている」（同氏）。
大手コンテンツ企業がGoogle TV向けのオンライン動画の提供を停止していることについては，「コンテンツ企業は彼らのコンテンツの配信先を決める自由がある」と，コンテンツ企業の意向を尊重する姿勢を見せた。このほか同氏は，コンテンツ企業であるHBOと協力し，Google TVにおいてHBOのコンテンツを再生するためのWebアプリケーションの開発を進めていることを明らかにした。
