図1 2011年3月期 第2四半期累計の実績
図1 2011年3月期 第2四半期累計の実績
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図2 同社 常務取締役管理本部長の甲斐政志氏
図2 同社 常務取締役管理本部長の甲斐政志氏
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図3 2011年3月期通期の業績予想を修正
図3 2011年3月期通期の業績予想を修正
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 アルプス電気は2010年11月1日,同年4~9月期の決算を発表した(PDF形式の発表資料)。売上高は対前年同期比17.3%増の2780億円。営業損益は160億円の黒字(前年同期は76億円の赤字)と,営業利益率は5%を超えた(図1)。当期純利益も59億円と,96億円の赤字だった前年同期から回復した。

 主力の電子部品事業は,売上高が対前年同期比12.3%増の1529億円,営業利益が68億円(前年同期は35億円の赤字)と好転した。中でも,自動車関連部品を扱う「AUTO(automotive)事業本部」は売上高で同22.2%増となる622億円を記録した。自動車の生産台数が安定的に回復したことにより,得意とする中高級車向けの電装部品や車載向けコンポーネント製品が堅調に推移した。加えて,「特に米国市場向けのSUVやピックアップ・トラックといった中級車で当社製品の採用事例が増えている」(同社 常務取締役管理本部長の甲斐政志氏)ことが実績を押し上げた(図2)。

 民生市場向けの「HM&I(home,mobile&industry)事業本部」の売上高は,同6.3%増の907億円だった。スマートフォンを中心とする携帯機器の需要が増加し,タッチ・パネルが順調だった。家庭用ゲーム機向けモジュール製品の出荷も増えたという。

 回復基調の電子部品事業だが,記者会見で登壇した甲斐氏は「まだ,売り上げ面では復活したとは言いがたい」と慎重な見方を示した。同事業が最も好調だった2005~2007年には2000億円程度の売り上げを記録していたからだ。

 子会社のアルパインが担う「音響製品事業」の売上高は,対前年同期比28.8%増の968億円,営業利益は69億円(前年同期は56億円の赤字)。国内では,「エコカー補助金」などによる景気刺激策で新車販売が増加したことで,市販市場で簡易型カーナビ(PND)の販売が回復傾向を示した。エコカー補助金の打ち切りの影響が出る下期に関しては「アルパインは厳しくなる」(同氏)とした。

 アルプス電気は第2四半期の業績を受け,2011年3月期通期の業績予想を修正した(図3)