図1 Skypeとの提携を発表するKDDI サービス・プロダクト企画 本部長の増田和彦氏
図1 Skypeとの提携を発表するKDDI サービス・プロダクト企画 本部長の増田和彦氏
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図2 Skype auの画面
図2 Skype auの画面
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 KDDIは2010年10月18日に東京都内で開催された商品発表会で,ルクセンブルグのSkype Technologies S.A.と戦略的包括提携に合意したことを公表した(図1)。今後,携帯,固定を問わずKDDIのあらゆるサービスでSkypeを提供していくという。

 Skypeの機能を真っ先に標準搭載するのは,携帯電話機。2010年11月下旬以降にAndroid機である「IS-01」と「IS-03」向けに専用アプリケーション・ソフトウエア「Skype au」を提供する。その後,発売されるAndroid機に対しても同様のアプリを配布またはプリインストールする。さらに,2011年にはBREWの携帯電話機にも展開する予定。ケーブルテレビ・サービスや光ファイバによる通信サービス向けにも,サービスを展開していくと見られる。

 Skype auでは,音声通話とチャットが可能である(図2)。Skype auが一般的なSkypeアプリと違うのは音声用回線を使って通話する点。一般的なSkypeアプリの場合,データ通信用回線を利用する。データ通信用回線はベストエフォート型であるため,回線のトラフィックが混んでくると,通話の遅延や途切れが発生する。音声用回線であれば,こうした問題は起きにくい。また,音声の符号化を専用回路で実施する,端末側から着信を常時確認しなくてよい,などの理由から電池の持ちも良くなる。実現方法は非公表だが,KDDIの交換網とSkypeの網を相互接続し,SkypeのユーザーIDと仮想的な電話番号を結びつける形で,音声用回線での通話を実現していると推測される。

 Skype社とは別に,Jibe Mobileと提携し,複数のソーシャル・メディアを一元的に管理できるアプリ「jibe」の提供も同年11月下旬より開始する。これはTwitter,au one GREE,mixi,などのSNS,Amebaブログやココログなどのブログ,ぐるなびやlivedoorグルメの店舗情報などを一つの画面上で管理できるアプリ。複数のSNSやブログにコメントを書き込んだり,ある特定のユーザーの書き込みを横断的に閲覧したりできるほか,店舗の住所や電話番号,営業時間などをアドレス帳で管理できる。