KDDIは2010年10月18日,2010年12月下旬以降に発売予定のAndroidスマートフォン3機種を発表した(発表資料)。富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製の「REGZA Phone IS04」,シャープ製の「IS05」,韓国Pantech Co., Ltd.製の「SIRIUS α IS06」である。発売時期は,IS06が「2010年秋冬」,IS04とIS05が「2011年春」の予定。
IS04は,ワンセグやおサイフケータイといった国内市場向けの機能を搭載し,防水機能も備えた(図1)。ディスプレイは4型のTFT液晶パネルで,超解像処理などを行う画像処理回路「モバイルレグザエンジン3.0」を搭載した。今回の発表会では詳細を明らかにしなかったが,メールやSNSの新着情報やよく連絡する相手などに簡単にアクセスできるホーム画面も搭載するという。
IS05は,KDDIのAndroidスマートフォン第1弾である「IS03」(Tech-On!の関連記事1)と同程度の機能を備えつつAndroidの最新版(2.2)を採用した端末(図2)。IS03に比べて小型の筐体を採用した。背面側に配置したカメラで720pのHDTV映像を録画できるほか,ディスプレイ側に配置したカメラで「自分撮り」もできる。HDTV映像を液晶テレビなどで視聴できるようにHDMI端子も搭載した。
IS06は,厚さが11.2mmで重さが109gと薄型・軽量な端末である(図3)。3.7型の液晶パネルを搭載した。Android 2.2採用機種としては,KDDIの第1弾となる予定だ。ワンセグやおサイフケータイなどの機能を持たない,いわゆるグローバル端末である。
IS04およびIS06は,KDDIが2010年中に開始する,CDMA 1x EV-DOのマルチキャリア技術(Tech-On!の関連記事2)に対応した。受信時のデータ伝送速度は最大9.2Mビット/秒である。
今回発表した3機種の主な仕様は次の通り。
REGZA Phone IS04 (富士通東芝モバイルコミュニケーションズ) |
IS05 (シャープ) |
SIRIUS α IS06 (Pantech社) |
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通信方式 | CDMA 1x EV-DO マルチキャリアRev.A | CDMA 1x EV-DO Rev.A | CDMA 1x EV-DO マルチキャリアRev.A |
外形寸法(mm) | 62×126×12.2(暫定値) | 55×112×14(暫定値) | 59.4×115.95×11.2(暫定値) |
重さ(g) | 149(暫定値) | 132(暫定値) | 109(暫定値) |
ディスプレイ | 約4.0型で854×480画素のTFT液晶 | 約3.4型で854×480画素の「NewモバイルASV」液晶 | 約3.7型で800×480画素のTFT液晶 |
カメラ | 有効画素数約1219万のオートフォーカス付きカメラ | 有効画素数約800万のオートフォーカス付きカメラ | 有効画素数約500万のオートフォーカス付きカメラ |
主な付加機能 | 防水,おサイフケータイ,ワンセグ,赤外線通信,6軸センサーなど | おサイフケータイ,ワンセグ,赤外線通信,6軸センサーなど | 6軸センサーなど |
今回の3機種は,国内市場独特の機能をAndroidスマートフォンに盛り込んだ機種(IS04とIS05)と,グローバル端末を国内に持ち込んだ機種(IS06)に分類できる。これについてKDDIは,「どちらが良い,悪いといった話ではない。メーカーや携帯電話事業者が独自の機能を盛り込むことと,Androidの最新版の機能を重視すること。そのどちらにもニーズがあると考えた」(KDDI コンシューマ事業本部 サービス・プロダクト企画本部長の増田和彦氏)と説明する。
「2011年度は,携帯電話機の出荷台数の半分以上がスマートフォンになるだろう」(KDDI 代表取締役執行役員専務の田中孝司氏)と予測するKDDIは,スマートフォン向けアプリケーション・ソフトウエアも拡充する。2010年11月下旬から,運動サポート・サービス「au Smart Sports」,SNS「au one GREE」,ネット・バンキング・サービス「じぶん銀行」などをAndroidスマートフォンから利用するためのアプリケーション・ソフトウエアを提供する。また,ホーム画面の画像やアイコンなどを一括で変更できるサービス「きせかえtouch」も開始する(図4)。画像やアイコンなどをコンテンツ企業などが提供することを想定する。