健康医療クラウドの概念図
健康医療クラウドの概念図
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 KDDIは,2010年10月5~9日に幕張メッセで開催している「CEATEC JAPAN 2010」において,「健康医療クラウド」の事業を今後,本格展開していく方針を示した。事業化の時期は未定とするが,各自治体などにおける試験運用を積極的に進めていく考えである。

 KDDIが意図する健康医療クラウドは,利用者が家庭などで測定した血圧や体重などの生体データを一元管理し,このデータを病院や診療所,保健所などと連携できるようにするもの。いわゆる「PHR(personal health record)」の一つである。「高齢化社会を迎える今,必要不可欠になるインフラ」(説明員)とする。

 同様の仕組みの構築を手掛けようとしている企業は数多い。こうした中,KDDIは「先行して手掛けていく中で,ノウハウや課題を蓄積していきたい」(説明員)という。現在,同社はこのシステムを東京都の奥多摩町で試験導入しているが,今後はほかの自治体などにおける試験導入も進めていく考えである。

 現時点では,生体データなどの健康情報の蓄積を前提としている。ただし将来は,「バイオ・センサーから得た情報や電子カルテの情報など,医療情報の蓄積も検討したい」(説明員)という。