スイスLogitech International社は，米サンフランシスコ市で開催した報道機関向けのイベントで，米Google Inc.のテレビ用ソフトウエア「Google TV」（Tech-On!関連記事）を搭載した「Logitech Revue with Google TV」と呼ぶセットトップ・ボックス（STB）製品を正式に発表した（発表資料）。
Revueは，キーボード付きのリモコンからテレビ番組やWebコンテンツなどをGoogle TVのソフト上で検索した入り，Google TV対応のアプリケーションを操作する，などの機能がある。「Webコンテンツをテレビに表示するこれまでの多くの製品と違って，今回は単一のユーザー・インターフェース上で，全てのコンテンツを操作することに成功した」（Logitech社，President兼Chief Executive OfficerのGerald Quindlen氏）。
Revueは米国で，2010年10月末ごろに発売される。価格は， 299.99米ドル。同時期に， Revueとともに利用する小型リモコン「Logitech Mini Controller」（129.99米ドル）やWebカメラ「Logitech TV Cam」（149.99米ドル）も発売する。こうしたGoogle TV関連製品は，現在のところ，すべて米国市場向けとしている。
携帯電話機や衛星テレビと連携
Logitech社は，Revueに同社の「Harmony Link」と呼ぶリモコン技術を搭載しており，同STB製品に接続されている全てのAV機器の操作が可能だという。こうした技術を拡張し，Revueは無線LAN経由でGoogle社の「Android」や米Apple Inc.の「iOS」を搭載した携帯機器と連携し，携帯機器上のアプリケーションからSTBを操作できるようにした。例えば，携帯電話機のタッチスクリーンを利用し，ユーザーが指でGoogle TVが表示するコンテンツを選択することができる。
今回のイベントで，Logitech社はRevueのHarmony Link機能の可能性を示すデモを披露した。まずRevueに接続されているテレビなどAV機器の電源をオフにしておく。この状態で，携帯電話機でYouTubeの動画再生を開始。再生を中断すると，携帯電話機は動画のURLと停止位置などのメタデータをSTBに送る。それを受けたSTBの電源が自動でオンになり，動画の続きがテレビで表示される，というものだ。
Logitech社はさらに，衛星テレビ事業者米DISH Network L.L.C.との連携も公開した（発表資料）。RevueはDISH社の独自プロトコルに対応しており，ユーザーがコンテンツを検索する際に，テレビ番組やWebコンテンツ以外に，DISH社が提供するHDD録画機器内に録画されたコンテンツも表示する。DISH社はRevueを179米ドルで販売するという。ただし，DISH社はRevueとDVRの連携のために，毎月4米ドルの料金を衛星テレビのサービス料として追加課金する方針だ。
