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 米Google Inc.の日本法人であるグーグルは2010年9月16日,Android搭載携帯電話機で利用できるカーナビゲーションの無料サービス「Googleマップナビ」を発表した(ブログ記事)。基本機能であるルート案内に加え,ルート沿いのレストランやトイレといった施設を検索することもできる。目的地や検索対象は音声で入力できる。

 Googleマップのルート検索機能を強化し,カーナビとしての機能を充実させた。Android 1.6以上を搭載した携帯電話機で利用できる。通常の地図に加え,航空写真上でのナビゲーションも可能。また,画面をダブルタップすることで,その地点のストリートビューによる写真を表示できる。目的地への到着時には,到着を通知するのに加え,ストリートビューの周辺写真を自動的に表示する。

 「焼肉」や「ファミレス」といったキーワードを音声入力することで,ルート沿いのレストランを検索できる。駐車場やガソリンスタンド,トイレといった施設も検索できる。複数の検索結果を同時に表示できるため,例えばトイレに近い駐車場を探すといったこともできる。

 Google社は同様のサービスを米国や欧州で既に提供しており,それらに日本独自のカスタマイズを加えたサービスになる。例えば,日本には名称のない道路が多く,それらに対応したという。有料道路を避けて一般道でルート検索する機能も日本で開発した。この機能は海外のサービスにも導入するという。

 渋滞情報に関しては,米国向けサービスでは提供しているものの,今回の日本向けサービスでは提供しない。また,現時点では自動車向けのルート検索だけで,徒歩や自転車には対応していない。これらについては「将来的には対応したい」(同社プロダクトマネージャーの井上陸氏)とする。

 原理的には,PNDメーカーがこのサービスを利用してAndroidを搭載した機器を開発することも可能だ。「モバイルGoogleマップの最新版とOpenGLが動作すれば利用できる」(井上氏)。ただし,モバイルGoogleマップを機器に搭載するには,「Android Compatibility Test Suite(CTS)」というツールによる互換性の認証試験に合格する必要がある。CTSは現時点では事実上,携帯電話機しか対象にしていないため,実際にはこのサービスを利用するPNDの開発は難しい。

 なお,米Apple Inc.のiPhoneには対応していない。「あらゆるプラットフォームで利用できるように最大限努力するが,現時点ではiPhone向けの計画はない」(井上氏)という。